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「お待たせしました」
「エリアンティーヌ様、その衣装は?我がドラゴニス王国の衣装ですよね?一体どうされたのですか?」
「はい。どうやら、お母様が王妃陛下に保管を頼んでいたそうでして」
「ええ、亡きマリリン様がエリアンティーヌ嬢に遺しておきたいと保管を頼まれましたの。今日、やっとお渡しすることが出来ましたわ」
「そうなのですね。マリリン様がエリアンティーヌ様に。良い話です、アマリリス王妃、ありがとうございます」
「いえ。私は頼ませたことをしただけですよ。それでは国王陛下」
「うむ。では、話を再開させよう」
私の衣装に私の従者やマンサール様にマンサール様の後ろに控える騎士の方々が驚いたような、嬉しいようなお顔をされています。
そして、王妃陛下にお礼をマンサール様が言われました。
どうやら、ドラゴニス王国の衣装を私が着る機会などないと思われており、衣装もないと思われていたようです。
お母様がしっかりと残してくださりましたから嬉しい限りです。
そして、王妃陛下が国王陛下に話を降られるとパーティーの時からのお話の再開を宣言されました。
「はい。先程は多くの貴族が居りました故に話を中断させていた頂き申し訳ありませんでした。それで先程の話のマリリン様がナディアとの婚姻を許可したと言う話ですが」
お祖父様はとても複雑そうなお顔をしております。
どこか言葉を選んでいるような感じがしますね。
お祖父様にとってアバント伯爵とナディア様の婚姻はお心にしこりを残すようなものだったのでしょうか?
暫くの沈黙の後、ゆっくりとお祖父様はお話しされました。
「……当初、私はナディアと愚息の婚姻を、ナディアを第二夫人にすることを許す気はなかったのです。二人は婚約もしてなければ私に付き合っていることさえ話してはいませんでした。それなのに子供ができたから一緒になりたいなど、許されるはずがないのです。勿論、誰とも婚約も結婚の話もなければそれ相応の調べの後に二人の婚姻を考えることはできたでしょう。ですが……」
お祖父様は本当に申し訳無さそうに私の方を見ました。
何となく分かりました。
お二人は正式な方法も取らずに無理を強行したのですね。
お祖父様にはアバント伯爵しか子供がいませんでしたから次期当主はほぼ確定でした。
それなのにまともな手段を取らないとなれば次期当主の件も考え直さなければならなくなったのでしょう。
「すでにその時にはマリリン様との婚姻が王命で決まっておりましたし、結婚式も準備がほとんどすんでいたのです。そんな時に子供が産まれた、ナディア以外と結婚する気はない、この結婚式の花嫁をナディアに変えて欲しいと言われたのです。私は頭を抱えましたし、何より怒り狂いました。王命を何だと思っているのかと!愚息を叱り飛ばし、手をあげました。私は二人の婚姻を認めず、産まれた子供も認める気はありませんでした。マリリン様を裏切っていたなど……どの口が言えましょうか」
お祖父様がアバント伯爵とナディア様の方を睨みました。
二人はビクッとしてから震えているようです。
当時の事を思い出したのでしょうか?
私もフォルクスもそんなお祖父様を見たのは初めてでしたのでとても驚きましたが、仕方ないですよね。
私たちは平民ではなく、貴族です。
貴族の婚姻は家同士の繋がりなので、自由恋愛結婚など殆ど認められません。
ましてや、王命ですので国王陛下、国からの命令での結婚なのですから許される筈もないのです。
王命という事でそれなりに大きな式になったのでしょう。
それこそ、ご自身たちでは出来ないような。
王命とはいえ、相手はたかだか商会の娘程度なのでその式を乗っ取っても良いと考えたのかもしれませんね。
と言うより、王命の時点でただの商会の娘では無いことぐらい分かりそうなものですのに、おかしな話ですね。
「それに正式に婚約をしていればマリリン様のお話は我が家にも来なかったでしょう。それこそ、別の形を取った筈です。それさえもしてなかった為にこの様になってしまい、心苦しかったのです」
「「………………」」
「なんとも」
ああ、皆さんがアバント伯爵とナディア様を睨んでいますね。
全員の怒気に触れて更に震えがひどくなっています。
自業自得ですわ。
「ですので、私はナディアと愚息の婚姻を認める気はありませんでしたし、子供を言い訳にするつもりならその子供を取り上げ、使用人の子としてからどこか別の家に奉公に出させるか、最初からどこかの商家など貴族ではない家に養子に出すかを考えておりました。その上でナディアの実家には慰謝料を請求するつもりでした」
「「「なっ?!」」」
お祖父様の本心を聞いてアバント伯爵とナディア様とサリフィア様は驚き、青ざめていました。
そうですわね、ナディア様は婚姻が許されないのですから未婚の母になり、外聞も悪いですので貴族社会でまともな生活はおくれないでしょう。
その上、ご実家には慰謝料が請求されるのですからご実家でもただの腫れ物ではなく、疎ましいものとして扱われていたでしょう。
サリフィア様はどうとっても貴族としての生活は出来なかったでしょうね。
産みの両親を知らずに生きる道しかなかったのです。
アバント伯爵やナディア様と関われないようにしようとしていたのでしょうね、お祖父様は。
ですが、それはそれで幸せなのではないでしょうか?
引き取らせた先のご両親がおりますもの、その方たちが愛してくださればそれで問題はない筈ですから。
アバント伯爵はナディア様とサリフィア様を失うしか方法はなかったのですね。
ですが、実際には婚姻していますが。
お母様は何で許したのでしょうか?
「ですが、マリリン様がそれを止めました。王公貴族として産まれたからには自身の意に反した結婚もやむ無しだが、このように正式な方法も取らないでの話は本来、許される筈がない。それでも産まれた子供には罪はない。子供にまでその咎めを問うのは違う。ご自身も今回の婚姻に関しては突き進んでやってしまったので、反省点も多くある故にナディアの第二夫人を認めると言われました。ご自身の商会の仕事もあるのでやるべき事をやってくれたらそれで良いと。子供を一人は作らないといけないのでそれは協力してもらうと。その子供が産まれた瞬間から王命で王家に入ることは決まっているのだからと」
「お母様」
何でしょう?
良い話のような気もするのですが、呆れが出てきました。
感動している様なのは国王陛下、王妃陛下、アイザック様、フレデリック様、フォルクスです。
納得できていないのがアバント伯爵、ナディア様、サリフィア様、第一王子様ですね。
憎悪も読み取れる表情をしていますが大丈夫でしょうか?
この場には王族の方々がいるのですが。
私、私の侍女や従者たち、マンサール様、マンサール様の後ろに控える騎士様たちは呆れと苦笑ですね。
これ、本当なんでしょうがお母様の方に別の思惑があるように感じてなりません。
「エリアンティーヌ様、その衣装は?我がドラゴニス王国の衣装ですよね?一体どうされたのですか?」
「はい。どうやら、お母様が王妃陛下に保管を頼んでいたそうでして」
「ええ、亡きマリリン様がエリアンティーヌ嬢に遺しておきたいと保管を頼まれましたの。今日、やっとお渡しすることが出来ましたわ」
「そうなのですね。マリリン様がエリアンティーヌ様に。良い話です、アマリリス王妃、ありがとうございます」
「いえ。私は頼ませたことをしただけですよ。それでは国王陛下」
「うむ。では、話を再開させよう」
私の衣装に私の従者やマンサール様にマンサール様の後ろに控える騎士の方々が驚いたような、嬉しいようなお顔をされています。
そして、王妃陛下にお礼をマンサール様が言われました。
どうやら、ドラゴニス王国の衣装を私が着る機会などないと思われており、衣装もないと思われていたようです。
お母様がしっかりと残してくださりましたから嬉しい限りです。
そして、王妃陛下が国王陛下に話を降られるとパーティーの時からのお話の再開を宣言されました。
「はい。先程は多くの貴族が居りました故に話を中断させていた頂き申し訳ありませんでした。それで先程の話のマリリン様がナディアとの婚姻を許可したと言う話ですが」
お祖父様はとても複雑そうなお顔をしております。
どこか言葉を選んでいるような感じがしますね。
お祖父様にとってアバント伯爵とナディア様の婚姻はお心にしこりを残すようなものだったのでしょうか?
暫くの沈黙の後、ゆっくりとお祖父様はお話しされました。
「……当初、私はナディアと愚息の婚姻を、ナディアを第二夫人にすることを許す気はなかったのです。二人は婚約もしてなければ私に付き合っていることさえ話してはいませんでした。それなのに子供ができたから一緒になりたいなど、許されるはずがないのです。勿論、誰とも婚約も結婚の話もなければそれ相応の調べの後に二人の婚姻を考えることはできたでしょう。ですが……」
お祖父様は本当に申し訳無さそうに私の方を見ました。
何となく分かりました。
お二人は正式な方法も取らずに無理を強行したのですね。
お祖父様にはアバント伯爵しか子供がいませんでしたから次期当主はほぼ確定でした。
それなのにまともな手段を取らないとなれば次期当主の件も考え直さなければならなくなったのでしょう。
「すでにその時にはマリリン様との婚姻が王命で決まっておりましたし、結婚式も準備がほとんどすんでいたのです。そんな時に子供が産まれた、ナディア以外と結婚する気はない、この結婚式の花嫁をナディアに変えて欲しいと言われたのです。私は頭を抱えましたし、何より怒り狂いました。王命を何だと思っているのかと!愚息を叱り飛ばし、手をあげました。私は二人の婚姻を認めず、産まれた子供も認める気はありませんでした。マリリン様を裏切っていたなど……どの口が言えましょうか」
お祖父様がアバント伯爵とナディア様の方を睨みました。
二人はビクッとしてから震えているようです。
当時の事を思い出したのでしょうか?
私もフォルクスもそんなお祖父様を見たのは初めてでしたのでとても驚きましたが、仕方ないですよね。
私たちは平民ではなく、貴族です。
貴族の婚姻は家同士の繋がりなので、自由恋愛結婚など殆ど認められません。
ましてや、王命ですので国王陛下、国からの命令での結婚なのですから許される筈もないのです。
王命という事でそれなりに大きな式になったのでしょう。
それこそ、ご自身たちでは出来ないような。
王命とはいえ、相手はたかだか商会の娘程度なのでその式を乗っ取っても良いと考えたのかもしれませんね。
と言うより、王命の時点でただの商会の娘では無いことぐらい分かりそうなものですのに、おかしな話ですね。
「それに正式に婚約をしていればマリリン様のお話は我が家にも来なかったでしょう。それこそ、別の形を取った筈です。それさえもしてなかった為にこの様になってしまい、心苦しかったのです」
「「………………」」
「なんとも」
ああ、皆さんがアバント伯爵とナディア様を睨んでいますね。
全員の怒気に触れて更に震えがひどくなっています。
自業自得ですわ。
「ですので、私はナディアと愚息の婚姻を認める気はありませんでしたし、子供を言い訳にするつもりならその子供を取り上げ、使用人の子としてからどこか別の家に奉公に出させるか、最初からどこかの商家など貴族ではない家に養子に出すかを考えておりました。その上でナディアの実家には慰謝料を請求するつもりでした」
「「「なっ?!」」」
お祖父様の本心を聞いてアバント伯爵とナディア様とサリフィア様は驚き、青ざめていました。
そうですわね、ナディア様は婚姻が許されないのですから未婚の母になり、外聞も悪いですので貴族社会でまともな生活はおくれないでしょう。
その上、ご実家には慰謝料が請求されるのですからご実家でもただの腫れ物ではなく、疎ましいものとして扱われていたでしょう。
サリフィア様はどうとっても貴族としての生活は出来なかったでしょうね。
産みの両親を知らずに生きる道しかなかったのです。
アバント伯爵やナディア様と関われないようにしようとしていたのでしょうね、お祖父様は。
ですが、それはそれで幸せなのではないでしょうか?
引き取らせた先のご両親がおりますもの、その方たちが愛してくださればそれで問題はない筈ですから。
アバント伯爵はナディア様とサリフィア様を失うしか方法はなかったのですね。
ですが、実際には婚姻していますが。
お母様は何で許したのでしょうか?
「ですが、マリリン様がそれを止めました。王公貴族として産まれたからには自身の意に反した結婚もやむ無しだが、このように正式な方法も取らないでの話は本来、許される筈がない。それでも産まれた子供には罪はない。子供にまでその咎めを問うのは違う。ご自身も今回の婚姻に関しては突き進んでやってしまったので、反省点も多くある故にナディアの第二夫人を認めると言われました。ご自身の商会の仕事もあるのでやるべき事をやってくれたらそれで良いと。子供を一人は作らないといけないのでそれは協力してもらうと。その子供が産まれた瞬間から王命で王家に入ることは決まっているのだからと」
「お母様」
何でしょう?
良い話のような気もするのですが、呆れが出てきました。
感動している様なのは国王陛下、王妃陛下、アイザック様、フレデリック様、フォルクスです。
納得できていないのがアバント伯爵、ナディア様、サリフィア様、第一王子様ですね。
憎悪も読み取れる表情をしていますが大丈夫でしょうか?
この場には王族の方々がいるのですが。
私、私の侍女や従者たち、マンサール様、マンサール様の後ろに控える騎士様たちは呆れと苦笑ですね。
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