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第一章
3、花嫁道中
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アリシアが正式に花嫁と決まってから王宮内も忙しくなった。花嫁が決まったことをシリウスはルドワードに知らせた。互いに話して式自体はドラグーン側で行う事になり、花嫁道中として盛大に見送る事にもなった。
国境より先はドラグーン大国の兵も付き添うことになった。
アリシアが花嫁と決まったことによってフォレンドは伯爵としての立ち位置が上がった。
アリシアは準備が整っていくにしたがって実感がわいてきた。自然に不安と喜びが沸き上がっていった。不安は一人国を出て他国に嫁ぐことだ。学びとして聞くのと体感するのでは違う。その違いが不安だった。喜びは地獄のような生活から抜け出る事だ。誰にも信じてもらえず、一人孤独に生きてきた日々が終わるのだ。
国内中で花嫁道中の日の準備が行われていった。
***
数か月後花嫁道中の前日、アリシアは王宮に呼ばれた。花嫁道中の始まりは王宮であるためだ。
「アリシア嬢、少しいいですか?」
「宰相様?どうぞ」
「失礼します、お加減のほどは?」
「特に問題ありません」
「それは幸いです。本当によろしかったのですか?背中の傷のこと」
「はい、本来誰にも見せたくはありませんので」
アリシアは正式に決まってから王宮の医師に背中の傷を診せる事を提案された。しかし、すでに八年前にできたもので取り除くことは希望できない。できた経緯が経緯のためアリシア自身も誰にも見せたくはない。なので診せる事は断った。
「了解しました。明日の予定ですが正門より馬車に乗り込みそのまま市街は大通りを通り、国境近くまで向かいます」
「はい」
「国境より先は護衛にドラグーン大国の兵も同行します。案内と安全確保の為です」
「はい」
「私はドラグーン大国の城まで同行します。それが私が国王より授かりました任です。それと、お父上の同行はよかったのですか?」
「……はい、必要ありません。皆様と一緒に王宮で別れたいと思います……つらくなるだけですので」
「そうですか、わかりました。お休みなさいませ」
「宰相様もお休みなさいませ」
ルークは確認事項をすべて終え、アリシアの部屋を出た。アリシアは窓から外を眺めていた。哀愁の為ではない。ただ月がいつも以上に輝いて見えたからだ。
アリシアの部屋を出たルークはため息をついた。家族の話をした時アリシアの表情がなくなる。それが気になり調べた。その結果背中の傷の理由がわかった。それはすでにシリウスにも伝えている。ただ気になったのが人を寄せ付けないような雰囲気だ。
ルークは一人で考えても仕方ないと思い、確認事項を確認できたことを報告するついでにシリウスの自室に向かった。
シリウスの部屋に着くとノックをし返事を待った。
「国王陛下、お時間よろしいでしょうか?」
「……ルー、執務時間は終わったぞ」
「……すまない、シル。少し良いか?」
「ああ、入れよ」
執務時間を過ぎるとシリウスとルークはただの幼馴染に戻る。これはシリウスがルークに願い出たことだ。国を背負う義務も意思も責任も理解し、納得していたがその弊害で親友で幼馴染まで失いたくないとシリウスはルークに話した。だから二人は仕事が終わると幼馴染に戻る。その上で業務の話をしてしまうことがあるがそれはお互いに納得している。
ルークがシリウスの部屋に入るとシリウスは酒を飲んで寛いでいた。ルークが向かいに座るとシリウスは酒を渡した。ルークが来ることを見越してテーブルにはグラスが二つ用意されていた。
「アリシア嬢の確認事項はすべて終了した」
「そうか」
「やはり、家族の話になると表情がなくなる」
「嫌な思いをしてきただろうからな、ルドワードはいいヤツだ。きっと彼女のことを大事にしてくれるだろう」
「ああ、それは分かるがいいのか?」
「何がだ?」
「とぼけるな、彼女はこの国を背負っていくんだ。ルドワードのことを話さなくてどうする」
「いいのさ、アリシア嬢には自分で知って欲しい。ドラグーン大国のことも、ルドワードのことも」
「そうだが」
「アリシア嬢はいい子だよ。あの二人ならいい方向に導ける、俺は信じている」
「……なら、僕も信じよう。シルの言葉だし、彼女は確かに何か持っている気がする」
「ああ、無事に送り届けて帰ってきてくれよ。ルー」
「わかってるよ、シル」
二人はそんな話をしながら酒を交わした。明日はいよいよアリシアの花嫁道中の始まりである。
***
朝早くからアリシアの準備は始まった。酔わないように朝食は軽めに終わらせた。
国を代表してドラグーン大国に嫁ぐアリシアを一目見ようとやってくる人々のこともあり、花嫁衣裳ではないもそれに近いドレスを着ることになった。馬車に長時間揺られることもありコルセットは少し緩めに締めることになった。薄く化粧も施し、アリシアの希望で右目を隠すように髪をセットし、ベールを付けた。
時間までアリシアは別室で待機した。その際フォレンドとリーナと話をできる時間があったがアリシアがそれを拒否した。表向きは別れがつらくなるからだがアリシア自身は一人で過ごす方が落ち着くからだ。
シリウスの計らいで王宮内の侍女数人がアリシア付きとしてドラグーンまで同行することになった。男ばかりの中でもし入用があっても対応できないだろうということだ。
「アリシア様、道中同行する侍女のリリアです」
「ミナです」
「エレナです、どうぞよろしくお願いします」
「私の方こそお願いします」
「それでは時間ですので」
「わかりました」
アリシアは侍女について正門に向かった。門をくぐるとそこには多くに人たちが集まっていた。沿道よりもっと先街の出口まで続く人の数であった。
先にいたシリウスの近くまでアリシアが来るとシリウスはその手を取り横に立たせた。そして拡音機を使い演説を始めた。
『わが国民たちよ、このよき日によく集まってくれた。百年戦争から十五年、多くの変化を我ユーザリア大国は行ってきた。我々が他の者と手を取り合うことを決め、前進してきた証である。ここに居りし、アリシア・ウィザルド伯爵令嬢はこの度、ドラグーン大国に盟約の証として、かの国に嫁ぐことになった。この先も我々が他を受け入れ、前進していく生き証人としてその使命を受けてくれた。国王としてその敬意を払い、皆と共に見送りたいと思う』
シリウスの演説に国民は歓声を上げた。アリシアは国民に頭を下げた。
シリウスのエスコートで馬車の所まで向かった。花嫁は本来父親のエスコートで花婿の所まで行くもこれは国同士の婚儀のため国王のシリウスがそれを務めた。
アリシアが花嫁用の馬車に乗り、三人の侍女も専用の馬車に乗り込んだ。同行することになっているルークは花嫁馬車の騎手席に同乗した。本来は護衛のため同席するのだがそれは街を出た後に侍女の一人と行う。この段階で乗り込めばパレードに水を差しかねないことになる。少しのミスもない様に計画されている。
全員が乗り込んだのを合図に演奏隊の演奏が始まり、前衛の騎馬兵が進む、それに先導されてすべての列が進んだ。
街中を進んでいるとき優しい声を知らない人たちからかけられ、アリシアは自然と微笑んでいた。人から好意的な接し方をされたことが少ないアリシアにとって本当に嬉しかった。
街の方が見えなくなると一度馬車を止め、旅に合う軽装のドレスにアリシアは着替えた。そして朝が早く、軽食だったため少し腹の足しになるものを食べた。
この先はルークも侍女の一人と一緒に花嫁馬車に乗り込んだ。最初に侍女はリリアだった。
八年間も幽閉塔で生活していたアリシアにとって馬車から見える景色は新鮮だった。咎める家の者が誰ひとりいないためかアリシアは素直な言動だった。それはとても幼く見えた。
「宰相様、あの樹木はなんですか?」
「あれはルーシャの木ですね、秋口に美味しい木の実を実らせますよ」
「そうなんですか?!」
「ア、アリシア様!そのように乗り出しては危険です!!」
「リリア、リリアも見てください!泉がきれいですよ!!」
「はい、見ております。ですので、そのように乗り出さないでください」
(王宮内での姿と大分違うが、こっちが素なのだろう。今が十八といえど八年間塔に閉じ込められていた、心は十歳のままなのかもしれないな)
ルークはリリアやアリシアの様子を見てそのように思った。考えるだけの知識はあっても現物を知らない。知らないことを知りたがる。好奇心の多いその姿を見てルークは微笑んでいた。それが昔の自分たちに重なったからだ。知らないことを知りたがり、体験したがり、実際にやって怒られたりそれが糧になって今に至る。そんな自分とシリウス思い出された。
「アリシア嬢、気になるのもいいですが走行中は危ないですよ」
「そうですよ、座ってください。座っても見れますから」
「はい」
目を輝かせて外を見ているアリシアは本当に幼かった。それを見ているリリアの目は優しかった。そんな光景にルークも微笑ましく思った。
国境より先はドラグーン大国の兵も付き添うことになった。
アリシアが花嫁と決まったことによってフォレンドは伯爵としての立ち位置が上がった。
アリシアは準備が整っていくにしたがって実感がわいてきた。自然に不安と喜びが沸き上がっていった。不安は一人国を出て他国に嫁ぐことだ。学びとして聞くのと体感するのでは違う。その違いが不安だった。喜びは地獄のような生活から抜け出る事だ。誰にも信じてもらえず、一人孤独に生きてきた日々が終わるのだ。
国内中で花嫁道中の日の準備が行われていった。
***
数か月後花嫁道中の前日、アリシアは王宮に呼ばれた。花嫁道中の始まりは王宮であるためだ。
「アリシア嬢、少しいいですか?」
「宰相様?どうぞ」
「失礼します、お加減のほどは?」
「特に問題ありません」
「それは幸いです。本当によろしかったのですか?背中の傷のこと」
「はい、本来誰にも見せたくはありませんので」
アリシアは正式に決まってから王宮の医師に背中の傷を診せる事を提案された。しかし、すでに八年前にできたもので取り除くことは希望できない。できた経緯が経緯のためアリシア自身も誰にも見せたくはない。なので診せる事は断った。
「了解しました。明日の予定ですが正門より馬車に乗り込みそのまま市街は大通りを通り、国境近くまで向かいます」
「はい」
「国境より先は護衛にドラグーン大国の兵も同行します。案内と安全確保の為です」
「はい」
「私はドラグーン大国の城まで同行します。それが私が国王より授かりました任です。それと、お父上の同行はよかったのですか?」
「……はい、必要ありません。皆様と一緒に王宮で別れたいと思います……つらくなるだけですので」
「そうですか、わかりました。お休みなさいませ」
「宰相様もお休みなさいませ」
ルークは確認事項をすべて終え、アリシアの部屋を出た。アリシアは窓から外を眺めていた。哀愁の為ではない。ただ月がいつも以上に輝いて見えたからだ。
アリシアの部屋を出たルークはため息をついた。家族の話をした時アリシアの表情がなくなる。それが気になり調べた。その結果背中の傷の理由がわかった。それはすでにシリウスにも伝えている。ただ気になったのが人を寄せ付けないような雰囲気だ。
ルークは一人で考えても仕方ないと思い、確認事項を確認できたことを報告するついでにシリウスの自室に向かった。
シリウスの部屋に着くとノックをし返事を待った。
「国王陛下、お時間よろしいでしょうか?」
「……ルー、執務時間は終わったぞ」
「……すまない、シル。少し良いか?」
「ああ、入れよ」
執務時間を過ぎるとシリウスとルークはただの幼馴染に戻る。これはシリウスがルークに願い出たことだ。国を背負う義務も意思も責任も理解し、納得していたがその弊害で親友で幼馴染まで失いたくないとシリウスはルークに話した。だから二人は仕事が終わると幼馴染に戻る。その上で業務の話をしてしまうことがあるがそれはお互いに納得している。
ルークがシリウスの部屋に入るとシリウスは酒を飲んで寛いでいた。ルークが向かいに座るとシリウスは酒を渡した。ルークが来ることを見越してテーブルにはグラスが二つ用意されていた。
「アリシア嬢の確認事項はすべて終了した」
「そうか」
「やはり、家族の話になると表情がなくなる」
「嫌な思いをしてきただろうからな、ルドワードはいいヤツだ。きっと彼女のことを大事にしてくれるだろう」
「ああ、それは分かるがいいのか?」
「何がだ?」
「とぼけるな、彼女はこの国を背負っていくんだ。ルドワードのことを話さなくてどうする」
「いいのさ、アリシア嬢には自分で知って欲しい。ドラグーン大国のことも、ルドワードのことも」
「そうだが」
「アリシア嬢はいい子だよ。あの二人ならいい方向に導ける、俺は信じている」
「……なら、僕も信じよう。シルの言葉だし、彼女は確かに何か持っている気がする」
「ああ、無事に送り届けて帰ってきてくれよ。ルー」
「わかってるよ、シル」
二人はそんな話をしながら酒を交わした。明日はいよいよアリシアの花嫁道中の始まりである。
***
朝早くからアリシアの準備は始まった。酔わないように朝食は軽めに終わらせた。
国を代表してドラグーン大国に嫁ぐアリシアを一目見ようとやってくる人々のこともあり、花嫁衣裳ではないもそれに近いドレスを着ることになった。馬車に長時間揺られることもありコルセットは少し緩めに締めることになった。薄く化粧も施し、アリシアの希望で右目を隠すように髪をセットし、ベールを付けた。
時間までアリシアは別室で待機した。その際フォレンドとリーナと話をできる時間があったがアリシアがそれを拒否した。表向きは別れがつらくなるからだがアリシア自身は一人で過ごす方が落ち着くからだ。
シリウスの計らいで王宮内の侍女数人がアリシア付きとしてドラグーンまで同行することになった。男ばかりの中でもし入用があっても対応できないだろうということだ。
「アリシア様、道中同行する侍女のリリアです」
「ミナです」
「エレナです、どうぞよろしくお願いします」
「私の方こそお願いします」
「それでは時間ですので」
「わかりました」
アリシアは侍女について正門に向かった。門をくぐるとそこには多くに人たちが集まっていた。沿道よりもっと先街の出口まで続く人の数であった。
先にいたシリウスの近くまでアリシアが来るとシリウスはその手を取り横に立たせた。そして拡音機を使い演説を始めた。
『わが国民たちよ、このよき日によく集まってくれた。百年戦争から十五年、多くの変化を我ユーザリア大国は行ってきた。我々が他の者と手を取り合うことを決め、前進してきた証である。ここに居りし、アリシア・ウィザルド伯爵令嬢はこの度、ドラグーン大国に盟約の証として、かの国に嫁ぐことになった。この先も我々が他を受け入れ、前進していく生き証人としてその使命を受けてくれた。国王としてその敬意を払い、皆と共に見送りたいと思う』
シリウスの演説に国民は歓声を上げた。アリシアは国民に頭を下げた。
シリウスのエスコートで馬車の所まで向かった。花嫁は本来父親のエスコートで花婿の所まで行くもこれは国同士の婚儀のため国王のシリウスがそれを務めた。
アリシアが花嫁用の馬車に乗り、三人の侍女も専用の馬車に乗り込んだ。同行することになっているルークは花嫁馬車の騎手席に同乗した。本来は護衛のため同席するのだがそれは街を出た後に侍女の一人と行う。この段階で乗り込めばパレードに水を差しかねないことになる。少しのミスもない様に計画されている。
全員が乗り込んだのを合図に演奏隊の演奏が始まり、前衛の騎馬兵が進む、それに先導されてすべての列が進んだ。
街中を進んでいるとき優しい声を知らない人たちからかけられ、アリシアは自然と微笑んでいた。人から好意的な接し方をされたことが少ないアリシアにとって本当に嬉しかった。
街の方が見えなくなると一度馬車を止め、旅に合う軽装のドレスにアリシアは着替えた。そして朝が早く、軽食だったため少し腹の足しになるものを食べた。
この先はルークも侍女の一人と一緒に花嫁馬車に乗り込んだ。最初に侍女はリリアだった。
八年間も幽閉塔で生活していたアリシアにとって馬車から見える景色は新鮮だった。咎める家の者が誰ひとりいないためかアリシアは素直な言動だった。それはとても幼く見えた。
「宰相様、あの樹木はなんですか?」
「あれはルーシャの木ですね、秋口に美味しい木の実を実らせますよ」
「そうなんですか?!」
「ア、アリシア様!そのように乗り出しては危険です!!」
「リリア、リリアも見てください!泉がきれいですよ!!」
「はい、見ております。ですので、そのように乗り出さないでください」
(王宮内での姿と大分違うが、こっちが素なのだろう。今が十八といえど八年間塔に閉じ込められていた、心は十歳のままなのかもしれないな)
ルークはリリアやアリシアの様子を見てそのように思った。考えるだけの知識はあっても現物を知らない。知らないことを知りたがる。好奇心の多いその姿を見てルークは微笑んでいた。それが昔の自分たちに重なったからだ。知らないことを知りたがり、体験したがり、実際にやって怒られたりそれが糧になって今に至る。そんな自分とシリウス思い出された。
「アリシア嬢、気になるのもいいですが走行中は危ないですよ」
「そうですよ、座ってください。座っても見れますから」
「はい」
目を輝かせて外を見ているアリシアは本当に幼かった。それを見ているリリアの目は優しかった。そんな光景にルークも微笑ましく思った。
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