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起[転]承乱結Λ
5話 宴に集う人々。
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道化にあてがわれている居室は、イリアム宮の内裏にあった。
小さな体躯に合わせたのか、非常に狭い部屋である。
特に不平不満を述べる事もなく、彼はここで四十年近くの歳月を過ごしているのだ。
無論、道化が何を言ったところで、誰も聞く耳など持たないのだが――。
そんな居室で独り、どこを見るでもなくボウと宙に貌を向けている。
泣き笑いの仮面を外し、何の感情も読み取れぬ様子は、見る者によっては聖性を感じたかもしれない。
道化は体躯に似合わぬ大きな手に、年月を感じさせる古びた紙を持っていた。
「本当に――」
思わず漏れた独り言であったのか、それとも己にしか見えぬ誰かに語り掛けているのかは分からない。
ただ、滑稽な声音では無かった。
「本当に、お前の言う通りになるとはな」
道化は古びた紙――いや、照射映像を物理転換した写像を見た。
写像には美しい女と、もう一人は幼女の笑顔がある。
女と幼女が持つバイオレットの髪色は、年月による劣化で色褪せてはいたが――。
愛おしそうに指でそっと撫でた。
「――見ていてくれ」
そう呟きながら、道化はうなじにあるニューロデバイスの切除痕を掻いた。
◇
オソロセア領邦領主であるロスチスラフ・オソロセア侯は、ピュアオビタルではない。
領主となり、侯爵にまで上り詰めるため、数多の血を流してきた。
血も涙も無い――という表現では足りぬ半生であったろう。
そんな彼も、寄る年波のせいなのか、三人の娘にはひどく甘い事で有名である。
「父君、アホ領主に媚びを売るなど、私たちには無理ですわ」
「お姉さまの言う通りよッ」
「――私は――言われた通りに――しますけど――」
名は――機会があれば何れ記そう。ともあれ、三人の娘である。
「そう言うてくれるな。愛しき美の女神たちよ」
気弱な父親を演じつつも、ロスチスラフは些か辟易としていた。
――男に媚びを売るなど、女の義務では無いのか?
彼の世界観に立脚するならば、家の都合に応じ、女はヒトフェロモンの分泌を調整すべきなのである。
「でも、アホで無能でド屑で救いようのないゲスだと仰っていたではありませんか?」
「む――」
確かに、そのように評価していたのだ。
本来の計画では、太陽系を平らげ後顧の憂いを無くし、帝国の動乱に乗じて覇を唱えるつもりであった。
蛮族と手を結んでおくのも、そのための布石であるのだ。
計画通り事が運んでいたならば、ここに英雄として祝賀されるのは彼のはずだった。
その功績と、アレクサンデル枢機卿の力添えで、恭順の姿勢を示すグノーシス異端船団国と国交を樹立させる。
勿論、国交樹立に伴う通商利権は、オソロセア領邦が優先的に抑えるのである。
他方のグノーシス異端船団側も、自国内の原理主義派を黙らせるため、会戦による敗北を必要としていたのであった。
――が、全ての状況が変わってしまった……。
諜報部門が鋭意情報を集めている最中であるが、ロスチスラフの野性の勘が告げている。
――あれは、敵に回すべき男ではない。
「人も状況も、変わるのだ。万物流転とはよく言ったものよ」
ゆえに、彼は方針転換を試みようとしている。
幸いにもトール・ベルニクは未だ独身であった。そしてロスチスラフには美しい――いや、少なくとも彼の目には、絶世の美女に映る三人の娘がいる。
――とはいえ、銀髪で無いのが無念であるな……。
愛しい娘たちは、自身と同じように単なる金髪であった。
オビタルとしては何の価値も無い髪色である。
――だが、オビタルを娶るケースも稀にはある。無理ならば側室でも良かろう。
娘たちが聞けば怒り狂いそうな想念を抱きつつ、ロスチスラフは自身の髪を撫でた。
◇
彼にとって、久方ぶりの帝都で迎える朝は、決して心地が良いとは言えなかった。
いや、正確に言うならば、心地が良すぎたがゆえに罪悪感に苛まれているのだ。
戦勝祝賀会に招待され、用意されたのは当然の如くスイートルームである。
安宿を希望したが、セキュリティの都合と言われれば断る術を持たなかった。
決して、己に眠る欲望が、この状況を是としたのではないと再確認する事で、多少なりとも罪悪感は薄れ内なる心が安らぐのを感じた。
だが、次の瞬間には、その思考プロセスが罪に思えてくるのである。
彼にとって人生とは、尽きる事のない罪悪感との闘争であった。
名は、レオ・セントロマ。十三名いる枢機卿の一人である。
帝国の大衆は、聖レオと呼ぶ事を好んだ。
――喉が渇いたな。
隣で寝ている相手を起こさぬよう、レオは細心の注意を払って起き出した。
何も纏っていない肉体は、素食を示すかの如く細い。
また、身体中に、鞭で打った傷痕がある。
レオは、グラスに注がれた水を飲み、息を吐いた。
近くにあった椅子へと、力なく腰を落とす。
窓からは帝都の繁栄を一望できる。
あらゆる欲望と背徳が、全ての善を喰らい尽くしているかに思え、彼にとっては不快な光景であった。
訪れたくはない場所なのだが、愛する者に求められ承諾したのだ。
その愛すらも、レオにとっては罪の一つであろう。
――とはいえ、この愛には抗えぬ。
詮無き繰り言を考えている間に空となったグラスをテーブルに置いた。
その音に――、
「――ん――レオ――」
愛する者が目覚めてしまう。
「宴には、まだ――」
「すまぬ。起こしてしまったか」
レオは、グラスに新たな水を注ぎ、愛する者に手渡した。
「今宵の宴、気が重くてな。埒も無い事を考えていた――許せ、エヴァン」
◇
イリアム宮の正面玄関前は、各種メディアとセキュリティで賑わいを見せていた。
政財界の要人、各界著名人たちの、送迎車から赤絨毯の上を歩いてゆく様を撮影するため多数のメディアが詰めかけているのだ。
この辺りの差配こそ、帝国が寛大な専制主義体制と言われる所以であろう。
「うわぁ、こんな所を歩いて行くんですか?」
車窓から様子を覗き見たトールは、気の進まぬ気配を漂わせている。
「トール様には、もっと心配すべき事があるはずですッ!」
呑気なトールの声に、思わずロベニカの口調が厳しくなってしまう。
昨夜は、ロベニカ自身が自己嫌悪に陥るほど、トール相手に小言を繰り返してしまい、彼女はベッドの中で独り悶々と反省していたのである。
――女帝陛下相手に断るなんて難しいわよね……。
――でも、内容ぐらい確認しておくべきだったのではないかしら?
――ま、まさか、何か深い考えがあったりして……。
などと、堂々巡りする思考で眠れぬ夜を過ごしたのだが、本人の些か泰然とし過ぎた態度を見ると、再び苛立ちが募って来たのである。
「そうですねぇ――いや、ええと、何がですか?」
――ま、まさか!?
「あ、そうか。確かに礼儀作法とか知りま――忘れましたね。臣下の礼しか教えて貰ってないですよ。どうしましょうか――心配になってきましたよ」
――何も恐れていないのでは?
三十週連続で勝ち抜いた剣闘士と剣技を競う事は伝えてある。
それでいてなお、この態度である。
――トール様って、実は無茶苦茶強いのかしら?
――考えてもみれば、ジャンヌと一緒に揚陸作戦まで参加しているのよ……。
――そうなのだわ。そうに違いないわ。私が勝手に狼狽えていただけなのかもしれない。
幾分かは、そうであって欲しいという希望的観測もあっただろう。
だが、考えてみれば、絶望的な状況から全てをひっくり返した男である。
執務室でトールに信じろと言われた日の事を思い起こす。
――はい。もちろんです。信じて下さい。
あの時に自分は何と答えただろうか?
――信じます。
信じてついてきたからこそ、今の景色も見られているのだ。
ロベニカは深く反省した。
信じると誓った相手――己が仕える主人を疑った事を恥じた。
トール・ベルニクは偉大で、そして強い男なのだ。
太陽系の輝ける新星なのである。
そこいらの剣闘士如きに――、
「ロベニカさん」
「は、はい?」
ロベニカの熱い想念を、トールの声が中断させた。
「どうされましたか?――いえ、その前に、私からお詫びを――」
「トジバトルさんって、あの人なんでしょうか?」
車窓からトールが指差す先には、筋骨隆々たる大男がいた。
イリアム宮に入る直前に、メディアの質問に答えているようだ。
剣闘士らしく派手な装いで、付き人が持つフラッグには「剣闘士トジバトル」と書かれていた。トールと剣技を競う際に振り回しでもするのかもしれない。
「そうです、アイツです。トール様、叩き斬ってやって下さいッ」
俄然、強気となったロベニカは、調子の良い事を言い始める。
「いやぁ、その、良かったら――」
トールが頭を掻いた。
「――帰りませんか?」
小さな体躯に合わせたのか、非常に狭い部屋である。
特に不平不満を述べる事もなく、彼はここで四十年近くの歳月を過ごしているのだ。
無論、道化が何を言ったところで、誰も聞く耳など持たないのだが――。
そんな居室で独り、どこを見るでもなくボウと宙に貌を向けている。
泣き笑いの仮面を外し、何の感情も読み取れぬ様子は、見る者によっては聖性を感じたかもしれない。
道化は体躯に似合わぬ大きな手に、年月を感じさせる古びた紙を持っていた。
「本当に――」
思わず漏れた独り言であったのか、それとも己にしか見えぬ誰かに語り掛けているのかは分からない。
ただ、滑稽な声音では無かった。
「本当に、お前の言う通りになるとはな」
道化は古びた紙――いや、照射映像を物理転換した写像を見た。
写像には美しい女と、もう一人は幼女の笑顔がある。
女と幼女が持つバイオレットの髪色は、年月による劣化で色褪せてはいたが――。
愛おしそうに指でそっと撫でた。
「――見ていてくれ」
そう呟きながら、道化はうなじにあるニューロデバイスの切除痕を掻いた。
◇
オソロセア領邦領主であるロスチスラフ・オソロセア侯は、ピュアオビタルではない。
領主となり、侯爵にまで上り詰めるため、数多の血を流してきた。
血も涙も無い――という表現では足りぬ半生であったろう。
そんな彼も、寄る年波のせいなのか、三人の娘にはひどく甘い事で有名である。
「父君、アホ領主に媚びを売るなど、私たちには無理ですわ」
「お姉さまの言う通りよッ」
「――私は――言われた通りに――しますけど――」
名は――機会があれば何れ記そう。ともあれ、三人の娘である。
「そう言うてくれるな。愛しき美の女神たちよ」
気弱な父親を演じつつも、ロスチスラフは些か辟易としていた。
――男に媚びを売るなど、女の義務では無いのか?
彼の世界観に立脚するならば、家の都合に応じ、女はヒトフェロモンの分泌を調整すべきなのである。
「でも、アホで無能でド屑で救いようのないゲスだと仰っていたではありませんか?」
「む――」
確かに、そのように評価していたのだ。
本来の計画では、太陽系を平らげ後顧の憂いを無くし、帝国の動乱に乗じて覇を唱えるつもりであった。
蛮族と手を結んでおくのも、そのための布石であるのだ。
計画通り事が運んでいたならば、ここに英雄として祝賀されるのは彼のはずだった。
その功績と、アレクサンデル枢機卿の力添えで、恭順の姿勢を示すグノーシス異端船団国と国交を樹立させる。
勿論、国交樹立に伴う通商利権は、オソロセア領邦が優先的に抑えるのである。
他方のグノーシス異端船団側も、自国内の原理主義派を黙らせるため、会戦による敗北を必要としていたのであった。
――が、全ての状況が変わってしまった……。
諜報部門が鋭意情報を集めている最中であるが、ロスチスラフの野性の勘が告げている。
――あれは、敵に回すべき男ではない。
「人も状況も、変わるのだ。万物流転とはよく言ったものよ」
ゆえに、彼は方針転換を試みようとしている。
幸いにもトール・ベルニクは未だ独身であった。そしてロスチスラフには美しい――いや、少なくとも彼の目には、絶世の美女に映る三人の娘がいる。
――とはいえ、銀髪で無いのが無念であるな……。
愛しい娘たちは、自身と同じように単なる金髪であった。
オビタルとしては何の価値も無い髪色である。
――だが、オビタルを娶るケースも稀にはある。無理ならば側室でも良かろう。
娘たちが聞けば怒り狂いそうな想念を抱きつつ、ロスチスラフは自身の髪を撫でた。
◇
彼にとって、久方ぶりの帝都で迎える朝は、決して心地が良いとは言えなかった。
いや、正確に言うならば、心地が良すぎたがゆえに罪悪感に苛まれているのだ。
戦勝祝賀会に招待され、用意されたのは当然の如くスイートルームである。
安宿を希望したが、セキュリティの都合と言われれば断る術を持たなかった。
決して、己に眠る欲望が、この状況を是としたのではないと再確認する事で、多少なりとも罪悪感は薄れ内なる心が安らぐのを感じた。
だが、次の瞬間には、その思考プロセスが罪に思えてくるのである。
彼にとって人生とは、尽きる事のない罪悪感との闘争であった。
名は、レオ・セントロマ。十三名いる枢機卿の一人である。
帝国の大衆は、聖レオと呼ぶ事を好んだ。
――喉が渇いたな。
隣で寝ている相手を起こさぬよう、レオは細心の注意を払って起き出した。
何も纏っていない肉体は、素食を示すかの如く細い。
また、身体中に、鞭で打った傷痕がある。
レオは、グラスに注がれた水を飲み、息を吐いた。
近くにあった椅子へと、力なく腰を落とす。
窓からは帝都の繁栄を一望できる。
あらゆる欲望と背徳が、全ての善を喰らい尽くしているかに思え、彼にとっては不快な光景であった。
訪れたくはない場所なのだが、愛する者に求められ承諾したのだ。
その愛すらも、レオにとっては罪の一つであろう。
――とはいえ、この愛には抗えぬ。
詮無き繰り言を考えている間に空となったグラスをテーブルに置いた。
その音に――、
「――ん――レオ――」
愛する者が目覚めてしまう。
「宴には、まだ――」
「すまぬ。起こしてしまったか」
レオは、グラスに新たな水を注ぎ、愛する者に手渡した。
「今宵の宴、気が重くてな。埒も無い事を考えていた――許せ、エヴァン」
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この辺りの差配こそ、帝国が寛大な専制主義体制と言われる所以であろう。
「うわぁ、こんな所を歩いて行くんですか?」
車窓から様子を覗き見たトールは、気の進まぬ気配を漂わせている。
「トール様には、もっと心配すべき事があるはずですッ!」
呑気なトールの声に、思わずロベニカの口調が厳しくなってしまう。
昨夜は、ロベニカ自身が自己嫌悪に陥るほど、トール相手に小言を繰り返してしまい、彼女はベッドの中で独り悶々と反省していたのである。
――女帝陛下相手に断るなんて難しいわよね……。
――でも、内容ぐらい確認しておくべきだったのではないかしら?
――ま、まさか、何か深い考えがあったりして……。
などと、堂々巡りする思考で眠れぬ夜を過ごしたのだが、本人の些か泰然とし過ぎた態度を見ると、再び苛立ちが募って来たのである。
「そうですねぇ――いや、ええと、何がですか?」
――ま、まさか!?
「あ、そうか。確かに礼儀作法とか知りま――忘れましたね。臣下の礼しか教えて貰ってないですよ。どうしましょうか――心配になってきましたよ」
――何も恐れていないのでは?
三十週連続で勝ち抜いた剣闘士と剣技を競う事は伝えてある。
それでいてなお、この態度である。
――トール様って、実は無茶苦茶強いのかしら?
――考えてもみれば、ジャンヌと一緒に揚陸作戦まで参加しているのよ……。
――そうなのだわ。そうに違いないわ。私が勝手に狼狽えていただけなのかもしれない。
幾分かは、そうであって欲しいという希望的観測もあっただろう。
だが、考えてみれば、絶望的な状況から全てをひっくり返した男である。
執務室でトールに信じろと言われた日の事を思い起こす。
――はい。もちろんです。信じて下さい。
あの時に自分は何と答えただろうか?
――信じます。
信じてついてきたからこそ、今の景色も見られているのだ。
ロベニカは深く反省した。
信じると誓った相手――己が仕える主人を疑った事を恥じた。
トール・ベルニクは偉大で、そして強い男なのだ。
太陽系の輝ける新星なのである。
そこいらの剣闘士如きに――、
「ロベニカさん」
「は、はい?」
ロベニカの熱い想念を、トールの声が中断させた。
「どうされましたか?――いえ、その前に、私からお詫びを――」
「トジバトルさんって、あの人なんでしょうか?」
車窓からトールが指差す先には、筋骨隆々たる大男がいた。
イリアム宮に入る直前に、メディアの質問に答えているようだ。
剣闘士らしく派手な装いで、付き人が持つフラッグには「剣闘士トジバトル」と書かれていた。トールと剣技を競う際に振り回しでもするのかもしれない。
「そうです、アイツです。トール様、叩き斬ってやって下さいッ」
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