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愛というもの
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「俺にはもう、愛というものがよく分からない」
リエルを悲しませるとわかっていながら、正直な思いを口にした。
「恋人は何人もいた。だが彼らが死にゆく時、私の前から去る時、私は涙をこぼせなかった。どんな相手でも、何も思う事はなかったんだ。それに私はどんなやつでも抱くことも出来る。お前を抱いたのは、欲情したからだ。それは事実。俺はお前に欲情する。だが別にだからといって、お前に対する気持ちは行為の前後で変わらなかった。今もそうだ。嫉妬心が恋愛感情から来るものなのか、子供がおもちゃを奪われたときのようなものか、分からない」
手を握る。強く、強く。
「ただ、俺はお前を手放したくない。それこそお前が死ぬまで一生、な」
言い終えたと同時に自分で自分が嫌になる。ワガママにも程がある。これでは本当に、まるで幼子のようではないか。だがリエルは違った。顔を真っ赤にして、俺を、彼にしては随分と強い力で、抱きしめた。
「ルイさん、ずるいです……」
何か不正行為でもあったのか。分からずにいるとリエルはぐりぐりと頭を押し付けて、ひとつ長い呼吸を吐いた。
「それ、一般的には、その、ぷ、プロポーズにしか聞こえません」
プロポーズ、それは結婚というやつか。
「別にお前と結婚してもかまわんが」
共寝し、共に暮らしている今。これ以上何か変わることでも?と首を傾げるとリエルが慌てたようにぶんぶんと首を勢いよく振った。
「絶対ダメです!!!結婚は、愛している人としかしちゃいけないですし。それにその、僕はあなたと夫婦になれないです」
理屈はよくわからんが、とにかくダメらしい。リエルの必死の形相からそれだけはわかる。それにしても、大人びた顔、はしゃいだ顔、不安げな顔。刻一刻と変わってゆくこいつの表情の見ていて面白いこと。
「ふふっ、くははっ!」
「ルイさんってば、何笑ってるんですか?……って、ひゃあっ!」
言い終わる前に体の力を抜く。リエルに止められるわけはない。着地の衝撃で、花が舞った。私の上に乗って、花を被ったリエルは、キレイだと、ようやくいつものように、幸せそうに笑った。
「……お前の翡翠の瞳は好ましい。だが、笑っているなら目を瞑っても構わない。私はお前が笑顔でないと落ち着かん。ほら、いつもそのように笑ってろ」
むにむにとほっぺたをつまむとリエルはきゃっきゃっと笑う。そしてやっぱりいつもの笑顔ではい!と元気よく答えた。
リエルを悲しませるとわかっていながら、正直な思いを口にした。
「恋人は何人もいた。だが彼らが死にゆく時、私の前から去る時、私は涙をこぼせなかった。どんな相手でも、何も思う事はなかったんだ。それに私はどんなやつでも抱くことも出来る。お前を抱いたのは、欲情したからだ。それは事実。俺はお前に欲情する。だが別にだからといって、お前に対する気持ちは行為の前後で変わらなかった。今もそうだ。嫉妬心が恋愛感情から来るものなのか、子供がおもちゃを奪われたときのようなものか、分からない」
手を握る。強く、強く。
「ただ、俺はお前を手放したくない。それこそお前が死ぬまで一生、な」
言い終えたと同時に自分で自分が嫌になる。ワガママにも程がある。これでは本当に、まるで幼子のようではないか。だがリエルは違った。顔を真っ赤にして、俺を、彼にしては随分と強い力で、抱きしめた。
「ルイさん、ずるいです……」
何か不正行為でもあったのか。分からずにいるとリエルはぐりぐりと頭を押し付けて、ひとつ長い呼吸を吐いた。
「それ、一般的には、その、ぷ、プロポーズにしか聞こえません」
プロポーズ、それは結婚というやつか。
「別にお前と結婚してもかまわんが」
共寝し、共に暮らしている今。これ以上何か変わることでも?と首を傾げるとリエルが慌てたようにぶんぶんと首を勢いよく振った。
「絶対ダメです!!!結婚は、愛している人としかしちゃいけないですし。それにその、僕はあなたと夫婦になれないです」
理屈はよくわからんが、とにかくダメらしい。リエルの必死の形相からそれだけはわかる。それにしても、大人びた顔、はしゃいだ顔、不安げな顔。刻一刻と変わってゆくこいつの表情の見ていて面白いこと。
「ふふっ、くははっ!」
「ルイさんってば、何笑ってるんですか?……って、ひゃあっ!」
言い終わる前に体の力を抜く。リエルに止められるわけはない。着地の衝撃で、花が舞った。私の上に乗って、花を被ったリエルは、キレイだと、ようやくいつものように、幸せそうに笑った。
「……お前の翡翠の瞳は好ましい。だが、笑っているなら目を瞑っても構わない。私はお前が笑顔でないと落ち着かん。ほら、いつもそのように笑ってろ」
むにむにとほっぺたをつまむとリエルはきゃっきゃっと笑う。そしてやっぱりいつもの笑顔ではい!と元気よく答えた。
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