32 / 34
プロポーズ2
しおりを挟む
「っふふ!」
この場に不釣り合いな笑い声がした。茶化された気がして、むすっとした顔で睨めば、リエルは慌てて言葉を続ける。
「だって、そんな横暴なプロポーズ、知りませんもの……!ふふっ、おかしい……!でも僕達人間に、合わせようとしてくれたんですよね」
ありがとうございますと顔を緩めて、彼は指輪を受け取った。そしてはめると同時に、宣言した。
「僕、リエルは病める時も健やかなる時も、一生をかけてルイさんを愛します。ルイさんに、僕の一生を捧げます」
静かに指輪が真紅に、俺の色に輝いた。
2人顔を見合わせて、笑う。
「それにしても、ルイさんも随分ロマンチックになりましたね?」
「……うるさい、お前はこういうものを望んでいるかと思った」
「ふふっ。確かにすごく嬉しいですけど、僕は前のも好きですよ、ルイさんらしくて」
からかうように笑うリエル。だが、まだ儀式は終わっていない。
「リエル、今度はお前の番だ」
あの指輪は持ち主の想いを込めて初めて完成する。だからさっきは真紅に光った。そう説明して、もう一度指名する。
「もうひとつには、リエル、お前が込めろ」
「えっ、僕が!?……でも、あなたのため……は、はい!」
「ふっ、そんなに緊張せずともよい。ただ、私を想え」
リエルは静かに目を閉じて、指輪を大事そうに胸に抱える。
しばらくして、リエルの胸辺りががぽわんと暖かいミント色に光る。
「……ルイさん。これ、受け取ってくれますか?」
出会った時から、ずっと変わらない笑顔。指輪を受け取って、はめる。なんだか暖かいような気がした。
「さて、これで、人間の結婚の儀とやらは終了か?」
「いいえ!最後に大事なのが残ってます」
いたずらっぽく、リエルが己の唇を指さした。
触れるだけのキス。ふわりとリエルの香りに包まれる。いつもしているはずのキスが、なんだか今だけは妙に特別なものに思えて。
辺り一面に咲き誇った月光花は、優しく風に揺られていた。
この場に不釣り合いな笑い声がした。茶化された気がして、むすっとした顔で睨めば、リエルは慌てて言葉を続ける。
「だって、そんな横暴なプロポーズ、知りませんもの……!ふふっ、おかしい……!でも僕達人間に、合わせようとしてくれたんですよね」
ありがとうございますと顔を緩めて、彼は指輪を受け取った。そしてはめると同時に、宣言した。
「僕、リエルは病める時も健やかなる時も、一生をかけてルイさんを愛します。ルイさんに、僕の一生を捧げます」
静かに指輪が真紅に、俺の色に輝いた。
2人顔を見合わせて、笑う。
「それにしても、ルイさんも随分ロマンチックになりましたね?」
「……うるさい、お前はこういうものを望んでいるかと思った」
「ふふっ。確かにすごく嬉しいですけど、僕は前のも好きですよ、ルイさんらしくて」
からかうように笑うリエル。だが、まだ儀式は終わっていない。
「リエル、今度はお前の番だ」
あの指輪は持ち主の想いを込めて初めて完成する。だからさっきは真紅に光った。そう説明して、もう一度指名する。
「もうひとつには、リエル、お前が込めろ」
「えっ、僕が!?……でも、あなたのため……は、はい!」
「ふっ、そんなに緊張せずともよい。ただ、私を想え」
リエルは静かに目を閉じて、指輪を大事そうに胸に抱える。
しばらくして、リエルの胸辺りががぽわんと暖かいミント色に光る。
「……ルイさん。これ、受け取ってくれますか?」
出会った時から、ずっと変わらない笑顔。指輪を受け取って、はめる。なんだか暖かいような気がした。
「さて、これで、人間の結婚の儀とやらは終了か?」
「いいえ!最後に大事なのが残ってます」
いたずらっぽく、リエルが己の唇を指さした。
触れるだけのキス。ふわりとリエルの香りに包まれる。いつもしているはずのキスが、なんだか今だけは妙に特別なものに思えて。
辺り一面に咲き誇った月光花は、優しく風に揺られていた。
10
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
逃げた弟のかわりに溺愛アルファに差し出されました。初夜で抱かれたら身代わりがばれてしまいます💦
雪代鞠絵/15分で萌えるBL小説
BL
逃げた弟の身代わりとなり、
隣国の国王である溺愛アルファに嫁いだオメガ。
しかし実は、我儘で結婚から逃げ出した双子の弟の身代わりなのです…
オメガだからと王宮で冷遇されていたので、身代わり結婚にも拒否権が
なかたのでした。
本当の花嫁じゃない。
だから何としても初夜は回避しなければと思うのですが、
だんだん王様に惹かれてしまい、苦しくなる…という
お話です。よろしくお願いします<(_ _)>
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる