67 / 163
自分のことを話さない
しおりを挟む
慣れ親しんだ森。でも4ヶ月は学校にいて離れていたこともあって、新鮮な気持ちもある。尚更楽しい。それに、歩き慣れないルディーが苦戦している様は更に楽しい。
「今日は何かとるんだっけか、ヴィー」
「何もないわよ~ただの散策」
「おっ、このキノコこんなところに生えてたっけか」
「!本当だわ、しかも見た事ない種類じゃない、これ!?図鑑で確認しましょ」
昔からずっと使っている図鑑。パラパラとページをめくれば1度見た事があるという印であるチェックマークが書かれていない。2人でその事実に興奮していると、そばで見ていたルディーがへえ~と声を漏らす。
「キミがやけに植物に詳しい理由はこれか」
「そうですよ!……つまんないですか?」
さあつまらないと言え!言って帰れ!!!
「んーん。むしろ楽しい。キミはこうやって育ったんだね。キミは人の事はよく聞くけど、自分のことはあんまり喋らないじゃない?知れて嬉しいよ」
「……それは何よりです」
くそっ、こいつ、流石にゲームのキャラだけあって優しい。でも流石にこれが延々続けば飽きるはず。いや、そうであってくれ。そんな願いも込めて、また歩き出す。
何度同じことを繰り返そうが、こいつから帰るという言葉は出なくて。半分私もやけになっていたんだろう。すっかり日も暮れかけ、気付けば雨が降り出していた。
「今日は何かとるんだっけか、ヴィー」
「何もないわよ~ただの散策」
「おっ、このキノコこんなところに生えてたっけか」
「!本当だわ、しかも見た事ない種類じゃない、これ!?図鑑で確認しましょ」
昔からずっと使っている図鑑。パラパラとページをめくれば1度見た事があるという印であるチェックマークが書かれていない。2人でその事実に興奮していると、そばで見ていたルディーがへえ~と声を漏らす。
「キミがやけに植物に詳しい理由はこれか」
「そうですよ!……つまんないですか?」
さあつまらないと言え!言って帰れ!!!
「んーん。むしろ楽しい。キミはこうやって育ったんだね。キミは人の事はよく聞くけど、自分のことはあんまり喋らないじゃない?知れて嬉しいよ」
「……それは何よりです」
くそっ、こいつ、流石にゲームのキャラだけあって優しい。でも流石にこれが延々続けば飽きるはず。いや、そうであってくれ。そんな願いも込めて、また歩き出す。
何度同じことを繰り返そうが、こいつから帰るという言葉は出なくて。半分私もやけになっていたんだろう。すっかり日も暮れかけ、気付けば雨が降り出していた。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
346
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる