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露見した秘密と新たな秘密
No.1
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「海老原さん、今夜空いてる?」
代わり映えしない週末の就業中、
カウンターでいつもの様に仕事をしていた女に、
上背のある男がカウンター越しに話しかけてきた。
高そうな腕時計をチラつかせるその男に、
女は「え?」と首を傾げた。
「よかったら俺とご飯でも行かない?勿論、俺の奢りで」
カウンターにもたれるように両肘を付く男は続けた。
「この間、オシャレな雰囲気の店見つけたんだよね。
海老原さんくらいの若い女の子が好きそうな感じの。」
「どうかな?」と自信ありげな顔で見てくる男に、
女は軽く微笑みを返し口を開く。
「ごめんなさい、今日は先約があって」
「えっ…」
断られることは想定外だったのか、
男は顔を引きつらせ固まった。
「誘って頂いたのにごめんなさい。
また機会があればよろしくお願いします。」
女が軽くお辞儀をして言うと男はハッと我に返り、
もたれていた体を起こして引きつった顔のまま言う。
「そ、そっか…残念だな、じゃあまた」
足早に立ち去る男の背中を見て溜め息をついた女に、
隣に座っていた高木が身を寄せて言った。
「今の人、総務課の超エリート君でしょ?
狙ってる女の子いっぱいいるって聞いたけど、
断っちゃってよかったの?」
勿体ない、と言いたげな高木に女は苦笑いを浮かべる。
「あんまり得意じゃないんです、
ああゆうタイプの男性って…」
そう答える女に、
高木は「あ~」と何かを察した様に言った。
「じゃあ先約っていうのは?」
「……ウソです」
女は目線を少し泳がせた後、肩を竦めて答える。
そんな女に高木はケラケラ笑った。
「やるね~海老原さん、エリート君に教えてあげたい」
「やめてくださいよっ、荒波立てたくないんですから…」
「ウソウソ、冗談」
笑う高木に、「もう…」と肩を竦めて女も笑う。
「あ、じゃあ私はどう?」
笑っていた高木が思いついた様に女に言った。
「どう……って?」
「今夜、私とご飯行かない?勿論、私の奢りで」
そう言う自信に満ちた笑みを浮かべる高木に、
キョトンとしていた女は軽く吹き出して笑った。
「是非、ご一緒させて下さい」
代わり映えしない週末の就業中、
カウンターでいつもの様に仕事をしていた女に、
上背のある男がカウンター越しに話しかけてきた。
高そうな腕時計をチラつかせるその男に、
女は「え?」と首を傾げた。
「よかったら俺とご飯でも行かない?勿論、俺の奢りで」
カウンターにもたれるように両肘を付く男は続けた。
「この間、オシャレな雰囲気の店見つけたんだよね。
海老原さんくらいの若い女の子が好きそうな感じの。」
「どうかな?」と自信ありげな顔で見てくる男に、
女は軽く微笑みを返し口を開く。
「ごめんなさい、今日は先約があって」
「えっ…」
断られることは想定外だったのか、
男は顔を引きつらせ固まった。
「誘って頂いたのにごめんなさい。
また機会があればよろしくお願いします。」
女が軽くお辞儀をして言うと男はハッと我に返り、
もたれていた体を起こして引きつった顔のまま言う。
「そ、そっか…残念だな、じゃあまた」
足早に立ち去る男の背中を見て溜め息をついた女に、
隣に座っていた高木が身を寄せて言った。
「今の人、総務課の超エリート君でしょ?
狙ってる女の子いっぱいいるって聞いたけど、
断っちゃってよかったの?」
勿体ない、と言いたげな高木に女は苦笑いを浮かべる。
「あんまり得意じゃないんです、
ああゆうタイプの男性って…」
そう答える女に、
高木は「あ~」と何かを察した様に言った。
「じゃあ先約っていうのは?」
「……ウソです」
女は目線を少し泳がせた後、肩を竦めて答える。
そんな女に高木はケラケラ笑った。
「やるね~海老原さん、エリート君に教えてあげたい」
「やめてくださいよっ、荒波立てたくないんですから…」
「ウソウソ、冗談」
笑う高木に、「もう…」と肩を竦めて女も笑う。
「あ、じゃあ私はどう?」
笑っていた高木が思いついた様に女に言った。
「どう……って?」
「今夜、私とご飯行かない?勿論、私の奢りで」
そう言う自信に満ちた笑みを浮かべる高木に、
キョトンとしていた女は軽く吹き出して笑った。
「是非、ご一緒させて下さい」
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