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露見した秘密と新たな秘密
No.2
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定時の時刻になると、
女と高木は休憩室へ戻り身支度を整えた。
「お店どこでもいい?何か食べたいものある?」
「いえ特には…、高木さんにお任せします」
会社を出た2人は、
高木の行き付けだという店へ向かった。
電車に乗り何駅かした所で降りて歩くこと数分。
とあるビルの地下1階にその店はあった。
高木の後に続き店へ入ると、
心地よいクラシックの音楽が2人を出迎えた。
間接照明に照らし出されたカウンター、
レンガ風の衝立で完全に仕切られたテーブル席。
女は店内を見渡したあとで目を輝かせて言う。
「へぇ~~、素敵なお店ですね」
「でしょ?」
そんな女を、高木は奥のテーブル席へと連れていく。
壁に設置されたハンガーフックへコートを掛けると、
高木は慣れた様子でお酒や料理を注文する。
少しして運ばれてきたお酒を手に、2人は乾杯をした。
「1週間お疲れさま~」
「お疲れさまでした」
お酒を片手に、
2人は仕事を中心に他愛のない会話に花を咲かせた。
「ほんっとあのセクハラオヤジさ~~、人の顔見れば
やれ結婚しないの~とか仕事は恋人じゃない~だとか…
余計なお世話だっつーの、ねぇ?」
食事も済み、お酒が進んだ頃、
高木はグラスを揺らしながら愚痴を零していた。
「私もよく言われます……、
20も半ば過ぎればチヤホヤしてもらえないって」
高木に同意する様に答える女も、
お酒が進み、頬が薄紅色に染まっている。
「でもさぁ、海老原さんモテるのに彼氏作らないのなんで?
もう長いこといないんでしょ?」
「別に…深い意味はないですよ、
今は仕事に集中したいですし、1人の方が気が楽ですし…」
今の仕事は好き、嘘はついていない。とぼんやり考えながら
「それに、モテるわけじゃありませんし」と女は続けた。
「エリート君に口説かれた後に言われてもねぇ」
「からかわないで下さいよっ」
他のお客達の賑わう声に紛れ、
2人の楽しげな笑い声が店内に響く。
明日は休日ということもあり、
気が付けば店内の席はほとんど埋まっていた。
店員が高木の傍らにある、吸殻で溢れた灰皿に気付き、
注文したお酒と新しい灰皿を運んでくる。
仕事やプライベートの話で盛り上がる2人だったが、
ふと会話が途切れた後、高木が言った。
「あ、そうそう、海老原さんにお願いがあるんだけど」
「え?」
不思議そうにする女とは対象に、
高木は笑顔のまま信じられない言葉を放った。
「オナニーしてるところ、見せてくれない?」
女と高木は休憩室へ戻り身支度を整えた。
「お店どこでもいい?何か食べたいものある?」
「いえ特には…、高木さんにお任せします」
会社を出た2人は、
高木の行き付けだという店へ向かった。
電車に乗り何駅かした所で降りて歩くこと数分。
とあるビルの地下1階にその店はあった。
高木の後に続き店へ入ると、
心地よいクラシックの音楽が2人を出迎えた。
間接照明に照らし出されたカウンター、
レンガ風の衝立で完全に仕切られたテーブル席。
女は店内を見渡したあとで目を輝かせて言う。
「へぇ~~、素敵なお店ですね」
「でしょ?」
そんな女を、高木は奥のテーブル席へと連れていく。
壁に設置されたハンガーフックへコートを掛けると、
高木は慣れた様子でお酒や料理を注文する。
少しして運ばれてきたお酒を手に、2人は乾杯をした。
「1週間お疲れさま~」
「お疲れさまでした」
お酒を片手に、
2人は仕事を中心に他愛のない会話に花を咲かせた。
「ほんっとあのセクハラオヤジさ~~、人の顔見れば
やれ結婚しないの~とか仕事は恋人じゃない~だとか…
余計なお世話だっつーの、ねぇ?」
食事も済み、お酒が進んだ頃、
高木はグラスを揺らしながら愚痴を零していた。
「私もよく言われます……、
20も半ば過ぎればチヤホヤしてもらえないって」
高木に同意する様に答える女も、
お酒が進み、頬が薄紅色に染まっている。
「でもさぁ、海老原さんモテるのに彼氏作らないのなんで?
もう長いこといないんでしょ?」
「別に…深い意味はないですよ、
今は仕事に集中したいですし、1人の方が気が楽ですし…」
今の仕事は好き、嘘はついていない。とぼんやり考えながら
「それに、モテるわけじゃありませんし」と女は続けた。
「エリート君に口説かれた後に言われてもねぇ」
「からかわないで下さいよっ」
他のお客達の賑わう声に紛れ、
2人の楽しげな笑い声が店内に響く。
明日は休日ということもあり、
気が付けば店内の席はほとんど埋まっていた。
店員が高木の傍らにある、吸殻で溢れた灰皿に気付き、
注文したお酒と新しい灰皿を運んでくる。
仕事やプライベートの話で盛り上がる2人だったが、
ふと会話が途切れた後、高木が言った。
「あ、そうそう、海老原さんにお願いがあるんだけど」
「え?」
不思議そうにする女とは対象に、
高木は笑顔のまま信じられない言葉を放った。
「オナニーしてるところ、見せてくれない?」
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