【R-18】泥中の女

みつる

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露見した秘密と新たな秘密

No.3

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高木のその一言で、女の表情が固まった。

「……………………ぇ、」

まるで子猫の様な、女のか細い声が宙を舞う。
しかし高木はその声を聞き逃さなかった。

「だからぁ、海老原さんがオナニーしてるとこ、
   私に見せてほしいの」

高木は微笑んだまま、テーブルに両肘をつき、
女の顔を覗き込んで言う。

「な、に言って……はは、…冗談…ですよね?」

引き攣った笑顔を浮かべて言う女の額に冷や汗が滲む。

"まさか……"
そんな考えが脳裏によぎる。

そしてそれは、現実となった。

「冗談でこんなこと言わないって、ねぇ、いいでしょ?
   海老原さん、こんなことしてるんだし」

そう言って取り出した高木の携帯の画面には、
休憩室で自慰行為にふける女の動画が映し出された。

鏡の前でスカートを捲りあげ、
秘部にくい込んだバイブの刺激で果てるその女は、
紛れもない、先日の自分だった。

「ど……して…」

「よく撮れてるでしょ」

女の質問に答えず、高木は楽しそうに笑っている。

「海老原さん、よく仕事中にオナニーしてるでしょ。
   この動画見るまでは半信半疑だったけど……」

そこまで言うと、
高木は身を乗り出し女の耳元に唇を近付けて囁いた。

「昨日もオマンコにバイブ仕込んでたんでしょ?」

"バレた、完全に、全て"
全身から血の気が引くのがはっきりとわかった。
それと同時に湧き上がる羞恥、動揺、不安…

そして高揚。

様々な感情に支配され、指1本すら動かせないでいる女に、
高木は安心させるように言った。

「心配しないで、このことは誰にも言わないから」

そうは言うものの、
おそらく自分の返答次第で高木の気も変わる。

そう確信していた女は、
少しの葛藤の末、チラリと高木を見て震える声で言う。

「本当に、誰にも言わないって約束してくれますか?」

か弱い女の問い掛けに、高木は怪しげな笑みを浮かべた。
そしてテーブルの下で女の脚と自分の脚を絡ませて言う。

「勿論。…これは私達だけの秘密」


    
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