【R-18】泥中の女

みつる

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壊された理性

No.1

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時計は夜の9時を指し、
集うお客で店内は変わらず賑わっている。

そんな店内の一角で、
脅迫じみた提案を持ち掛けられた女は、
覚悟を決めたように高木を見つめた。

「1回だけ……お見せします」

その返答に高木は満足気に微笑み、
絡ませていた脚を解く。

「それじゃあ早速だけど、鞄に忍ばせてるバイブ、
   今この場で入れて見せて」

「こっ、ここでですか?」

なぜ鞄にバイブが入っていることを知っているのか、
そんなことよりも高木の言った言葉に驚きを隠せず、
女は他のお客達を見るように首を振り向かせる。

「そう、ここで」

たじろぐ女に、高木は有無を言わせない様に即答する。

断れば動画をばら撒かれるかもしれない。
そう考えると、逆らうことが出来なかった。

女は震える手を鞄に伸ばす。

誰かに見られたらと気が気じゃない女は、
キョロキョロ目線を泳がせながら
鞄の中のバイブを手探りで探した。

手にゴツゴツした異物が触れるとそれをぎゅっと握る。

チラッと高木へ目線を向けると、
高木は何も言わず、ただただ女をじっと見つめていた。

2人が座るテーブル席は衝立ついたてで周りからは死角となっており、
お酒などを店員が運んでこない限り、
カウンターからも見えない造りとなっている。

女は手にしたバイブを恐る恐る取り出し、
それを太腿の上へ置くと隠すように手で握りこんだ。

羞恥のあまり顔を上げることが出来ずにいると、
そこでようやく高木が口を開いた。

「それ、昨日と同じヤツ?」

女は俯いたまま、無言で首を横に振った。

「へぇ、色々持ってるんだ」

高木は心底楽しそうにクスクス笑う。

「海老原さん、顔上げて、
   スカートの中が見えるように脚開いて?」

その言葉に、女は唇をきゅっと噛んだ。

"本当に、こんな多くの人が集まるこの場所で…"

そう思うだけで口に出せない女は、
履いていたヒールを脱ぎ、
体育座りをする様に膝を曲げソファーへかかとを乗せる。

そしてゆっくりと両膝を外側へ開き、
赤く染った顔を上げて高木を見た。

女と目が合うと、
高木はニッコリ微笑んで更なる命令を下す。

「そのまま下着脱いでテーブルに置いて」

女の赤い顔が更に赤く染まる。
耳が熱によって痺れているのがよくわかった。

それと同時に、
腹の奥にも熱が帯びていることに女は気付いていた。

女の濡れた唇から熱い吐息が漏れる。

こんな状況下でも、女は興奮を感じ始めていた。

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