ラジオ

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“まーくん元気にしてる？
美紀は今もまーくんのことが忘れられないよ。
車のハンドルを握るまーくん、
少しおどけてシェーカーを振るまーくん、
そして私だけに見せる裸のまーくん。
すべてが忘れられないんだ。
美紀は絶対まーくんと結婚するんだから“

昔の彼女から手紙が届いた。
車を琵琶湖に走らせた。
“今日の琵琶湖は晴れるでしょう”
カーラジオが伝えた。

昔は長かった髪はポマードで撫でつけるようになった。
その方が客の信頼がある。
営業成績に追われるようになった。
貼り出される棒グラフに一喜一憂するようになった。

家に帰って返事を書いた。
“久しぶりだね。
俺も美紀のことが忘れられないよ。
また会いたいね“

ラジオが伝えた。
“明日の琵琶湖は晴れるでしょう”
そうなることを願った。
外さないことを願った。