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幼少期編・続

突然の病(5)

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さらに3日が経った

マリアにお風呂に入れてもらい
伸びた髪を切り揃えてもらった私は
手鏡で容姿を確認しながら
布団の中でお父様たちを待っていた。

マリアは34歳になっていたけど
まったく変わらず優しいお姉ちゃんのままだ。

鏡に映るティアナは15歳になっていた。

前司祭の治癒魔法のおかげで、
栄養バランスが取れた食事をし
適度に身体を動かし
しっかり睡眠をとったような
最適で健康的な状態で育った私は
ゲームの世界のティアナそのままに
完璧なプロポーションを手に入れていた。

艶やかで健康的な金色の髪
大きな瞳の深い海色の瞳
腰はキュッと引き締まり細く
ふわふわですべすべな胸は大きく膨らみ
肌は雪の様に白い陶器肌

私は固いものはまだ難しいけど自分で食事をとり
少しなら立ち上がれるまでに回復した私は
1時間だけ家族との面会が許された。


コンコン

面会の時間になるとノックの音が聞こえた。
ベットから起き上がり声を掛けると
お父様と二人の少年が入ってきた。

「ティア!」
お父様が
涙を流し優しく抱きしめてくれる。

「お父様・・」

少し目じりに皺が増えたけど
40歳になったお父様は5年前と変わらなかった。

父を抱きしめていると黒い瞳と目があった

マリアを見てもお父様を見ても、
自分自身を鏡で見ても、
目覚めて5年もたっていたなんて
実感は湧かなかった。

…でも、

黒い瞳の少年をみて
あぁ、本当に5年もたっていたんだ・・って
時の流れを実感した。

幼さがなくなり
スラッと背が高くなり
可愛さが美しさに変わった
13歳になった私の弟、ギルベルト。

ギルはこちらを向いて
黒い瞳を滲ませている。

「ギル」
声を掛けギルに片手を差し出す

優しく微笑みかけると

差し出した手を両手でつつみ
綺麗な涙を落とした。

「よかった・・・・」
絞り出すようなギルの声は
少し低くなっていた。

「いつまで寝てんの」
ギルの背中をさすりながら
こげ茶色の髪に気怠い態度の美形な青年が声を紡いだ。

「やめてよね。坊ちゃん泣かすの。」
ぶっきらぼうだけど優しいトーン。

少年時代の面影を残したまま
長身になったオッドは大人の色気を漂わしていた。
紺色のベストにネクタイを締め
裾をなびかせた黒色のスーツを羽織っている。
成長した彼は正真正銘の執事だ。

「ごめんね」
ギルが握っていないもう片方の手を差し出すと

「…待ちくたびれたよ。」
オッドもぎゅっと握ってくれた。





それからさらに一ヶ月後、
10日をかけて検診し
問題がないと判断された私は
5年ぶりにクロウド家に帰ることができた。
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