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小助くんと夏のどうぶつたち

おばけとおねむの小助くん

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 おばけは、青い火の玉といっしょに夜空のくらやみの中でうかんでいます。これから向かおうとしているのは、山おくにたった1つしかない小さな古びた家です。 

「あの家には、どんな子どもがいるのか今から楽しみだなあ」 

 だれもいないことをたしかめると、おばけは小さな家をすりぬけるように入って行きました。家の中には、お母さんと小助がすやすやとねむっています。 

 そんな中、おばけと青い火の玉は小助のほうをじっとながめています。小助は、かけぶとんがめくれたままでかわいい顔つきを見せながらゆめの中へ入っています。 

「どうやら、この子はおふとんの上でぐっすりねているみたいだなあ」 

 ねるときにしいていたかけぶとんは、元気なゆめを楽しんでいる小助によってけとばされたままになっています。そのようすに、おばけは小助がどんなゆめを見ているのか自分の目でのぞくことにしました。 

 ねるときにしいていたかけぶとんは、元気なゆめを楽しんでいる小助によってけとばされたままになっています。そのようすに、おばけは小助がどんなゆめを見ているのか自分の目でのぞくことにしました。 

「あれっ? この子は人間の子どもなのに、クマのお母さんのおっぱいをのんでいるぞ」 

 おばけは、小助のようすをふしぎそうに見ながらゆめの中へ入りこむことにしました。草むらにかくれていると、小助がお母さんグマにだかれながらぐっすりとねむっているのが見えます。 

「これはまずいなあ。こわがらせるには、子どもが1人にならないといけないし」 

 しばらくすると、小助のゆめの中がいつの間にかまっくらやみになりました。おばけは、小助がくらす小さな家の中にそっと顔をのぞかせています。 

「この子は、あいかわらずおっぱいをのんでいるなあ」 

 小助は、ねる前にお母さんにおっぱいのおねだりをしています。すると、お母さんは小助をやさしくだきながらおっぱいをあたえています。 

「ふふふ、しょうがないわね」 

 お母さんは、おっぱいをのみつづける小助のかわいい顔をえがおで見つめています。こえを見たおばけは、わらいが止まらなくなったのでいったん外のくらやみの中へもどりました。 

「わっはっは、わっはっは! ねるまえになったもおっぱいをのんでいたら……」 

 おばけがいつも楽しみにしているのは、自分の顔を目にしてこわがる子どもたちのしょんぼりしたようすとおねしょぶとんの大きな地図を見ることです。 

「さて、あの子がどうなっているのかもういちど見てみようかな」 

 家の中へすりぬけるように入ると、おばけは小助がおふとんの中でねむっているようすをじっとながめています。となりでは、お母さんもすやすやとねむりの中へ入っています。 

「ふっふっふ、今からあの子どもをこわがらせようとするかな」 

 おばけは、わらいをこらえながら小助のほうへ近づこうします。そんな時、小助はねたままで自分のかけぶとんをおばけのほうへけとばしました。 

「うぐっ! うぐっ!」 

 かけぶとんにかぶさったおばけですが、すぐにそのふとんをすりぬけることができました。おばけは、はらがけ1まいでねむっている小助をこわがらせようとそばへやってきました。 

 こわいおばけが目の前にせまる中、小助がすやすやとねむりながらあんよを上げたその時のことです。 

「ジョパジョパジョパジョパジョパ、ジョジョジョジョジョジョジョジョ~ッ」 
「わっ、わわわっ!」 

 小助は、ねたままでおばけの顔に向かって元気いっぱいのおねしょめいちゅうさせています。とつぜんのできごとに、おばけはあわてふためいています。 

「わわっ! や、やめてくれ!」 

 おばけは、おねしょこうげきを食らいたくないとすぐに小助のゆめの中から出てきました。あわてたようすで小さい家の外へすりぬけると、おばけは青い火の玉とともにくらやみの中へきえていきました。 



 つぎの日の朝、山おくの小さい家のそばではお母さんがえがおを見せながらおふとんをものほしへほしています。どうやら、小助はおふとんにでっかいおねしょをやってしまったようです。 

「わ~い! おねちょ(おねしょ)! おねちょ!」 
「ふふふ、小助くんは今日も元気いっぱいのおねしょをしちゃったね」 

 小助は、おねしょぶとんのそばでいつものかわいいえがおを見せています。お母さんのほうも、おっぱいをたくさんのんで元気なおねしょをする小助をやさしく見つめています。 

 そのようすを空から見ているおばけは、小助のおねしょぶとんを遠くからながめています。 

「あ~あ、夜中は本当にひどい目にあったなあ。まあ、あの子どももでっかいおねしょをしてしまったようだし、今回はおあいこということで」 

 おばけは、これからも人間やどうぶつの子どもたちをこわがらせようとつぎのばしょへ向かってとんで行きました。 
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