どろんこたろう

ケンタシノリ

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どろんこたろうはやきいもが大すき

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「かっちゃん、おっぱい! かっちゃん、おっぱい!」
「どろんこたろう、こっちへおいで。いっぱいのんで強い子どもになろうね」
 どろんこたろうは、お母さんのおっぱいをごくごくのんでいます。お母さんは、そんなどろんこたろうをやさしい目で見つめています。
 こうして、どろんこたろうはじぶんの力で畑しごとをせっせとこなしていきました。どろんこたろうのおかげで、お父さんもお母さんも大だすかりです。
「とっちゃん、かっちゃん、やさいやおいもはいつになったら食べることができるの?」
「はっはっは、そんなにあわてなくてもだいじょうぶだよ。もうちょっとしたら、畑からおいしいのがとれるからね」
 どろんこたろうは畑を見ながら、秋がくるのを楽しみにしています。
 やがて、山おくの村に秋がやってきました。どろんこたろうは、畑でたくさんのやさいやおいもをほり出しています。
「とっちゃん! かっちゃん! こんなにたくさんほり出すことができたよ!」
 かごの中には、いろんなやさいがぎっしりとつまっています。お父さんとお母さんは、どろんこになって畑をほり出したどろんこたろうがうれしくてたまりません。
 お母さんは、どろんこたろうがほり出したばかりのやさいをつかってばんごはんを作っています。お父さんも、まさかりでわったたきぎで火おこしをしてお母さんを手だすけしています。
 ばんごはんができあがると、いろりにかこんでみんなで食べはじめました。きょうのばんごはんは、やさいのみそしるとやきいもです。
 この家には大きな畑はあっても、田んぼはありません。お米は、お父さんが山をおりて町まで2日かけて買い出しに行かなければなりません。
 そのため、ばんごはんでよく食べるのは畑でたくさんとれるおいもです。でも、どろんこたろうは目の前にあるやきいもを見て大よろこびしています。
「わ~い! 大すきなやきいもだ! 大すきなやきいもだ!」
 どろんこたろうは、やきいもを食べるのが大すきです。お母さんは、どろんこたろうのためにやきいもを3本もよういしました。
「それじゃあ、いっただきま~す!」
 どろんこたろうは、やきいもを右手でつかむとすぐに口のなかへほおばるように食べはじめました。
「とっちゃん! かっちゃん! とれたてのおいもはこんなにおいしいぞ!」
「どろんこたろうは、なんでものこさずに食べてくれるからうれしいわ」
 すききらいせずになんでも食べるどろんこたろうに、お父さんもお母さんもうれしくてかおがほころんでいます。
 つぎの日も、あさごはんにはやきいもが出てきました。どろんこたろうは、大すきなやきいもをつぎつぎとぱくつきました。
 そのとき、どろんこたろうはなにをおもったのかすぐに外へとび出して行きました。
「とっちゃん! かっちゃん! これから畑へ行ってこやしをするからね!」
 これを見たお父さんとお母さんは、どろんこたろうのようすを見ようと大きな畑へ行ってみました。すると、どろんこたろうがえがおを見せながら手をふっています。
「ここを見て! ここを見て! きょうもこんなにでっかいこやしがいっぱい出たよ!」
 どろんこたろうは、あるものをお父さんとお母さんに見せようとします。畑の上にあるのは、どろんこたろうの出たばかりのでっかいうんこです。
「はっはっは! おイモを食べるのが大すきだからこんなにいっぱい出たのか」
「ふふふ、うんこがいっぱい出るのは子どもだったら当たり前だもんね」
 お父さんもお母さんも、こやしとして出たばかりのうんこを畑の土といっしょにたがやすどろんこたろうをえがおで見まもっています。
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