カラフルマジック ~恋の呪文は永遠に~

立花鏡河

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第5章 ドキドキ☆交流戦

第34話

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 すかさず、山川さんがわたしをかばうようにパーマ先輩の正面に立った。

「ちょっと、一体なんなんですか? 変な言いがかりやめてください!」
「アンタは関係ないから引っこんでなよ。剣道部は竹刀ふってればイイから」

 ショートカット先輩が憎たらしい表情で言い放つ。

「ちょっ! なんなのよ、アッタマきた!」

 先輩たちに詰め寄りそうな勢いの山川さんを、わたしは必死におさえた。

「山川さん! 大丈夫! 大丈夫だから……」
「赤木さん……」

 わたしは山川さんを押しとどめ、先輩たちに向き直った。
 ホント言うと怖いけど……怖くて怖くて仕方ないけど……かばってくれた山川さんまで侮辱されて黙ってられないよ!

「わたし……別に調子になんかのってません。先輩たちは、なにをそんなに怒ってるんですか?」
「……生意気だね、アンタ。先輩に対してとる態度なの?」

 ぎらりと目を光らせるパーマ先輩。
 負けちゃダメだ!
 わたしはキッとパーマ先輩をにらみつけ、キッパリと言った。

「先輩として尊敬できるところがありませんので」

 一瞬、パーマ先輩はたじろいだけど、自嘲じちょう気味ぎみに笑ったかと思うと、他の先輩たちを見回した。

「きいた? 先輩として尊敬できないんだってさ」
「ホント生意気な子だね。あたしら怒らせてタダで済むと思ってんの?」

 ショートカット先輩がわたしの腕をつかんできた。

 ――痛い!

 身体をこわばらせたそのとき――。

「あー、うっとおしい! 六人もぞろぞろと……。バッカじゃないの?」

 ききおぼえのある声が飛んできた。

「誰よ!?」

 イラッとしたように、パーマ先輩が辺りを見回す。
 腕組みしながら近づいてきたのは……。

「佐久間さん!?」

 ショートカット先輩はわたしから手を離し、眉間にしわを寄せた。

「佐久間! アンタもあたしらに文句あんの?」

 顔見知りらしい。六人の先輩たちは佐久間さんの登場に動揺を隠せない。

「文句おおアリなんだけど。あたしのクラスの子たちを取り囲んで言いたい放題。ふざけんなっての」

 先輩たちを見回し、吐きすてるように言い放つ佐久間さん。
 わたしたちを助けにきてくれたの!?

「佐久間……。アンタまで随分と偉そうに言ってくれるじゃん。あたしら怒らせたらどうなるかわかってんでしょ?」

 パーマ先輩は不敵な笑みをうかべたけど、顔見知りが反旗はんきをひるがえしてきたことは予想外だったらしく、焦っているようにも見えた。

「さあ? そんなの知らないよ。醜い六人が、ぎゃあぎゃあわめいたところで大したことないしね……。先輩たちさぁ、性根しょうねが顔に出ちゃってんだよね!」

 うわぁ。佐久間さん容赦がない! 敵に回したら怖いけど、味方になったらこれほど頼もしい女の子もいない。

「くっ……」

 パーマ先輩が怒りでぷるぷると震えだした。

「要するにさぁ、自分たちはモテないもんだから、この子に嫉妬してるんでしょ? そういうのミジメだって、気づいたほうがいいよ?」
「佐久間……この子は彼氏いるくせに、白野くんにも近づいてんのよ。だから先輩として注意してあげてるんだよ。そういうのはみっともないって……」

 怒りをおさえこみ、再び不敵な笑みをうかべるパーマ先輩。
 佐久間さんは動じる様子もなく、ロングストレートの髪を手ぐしでいじりはじめた。

「みっともない……? モテるんなら、別にいいじゃん。イケメンを何人ゲットしようが、この子の勝手でしょ?」

 いや、佐久間さん……。わたしは別に……。
 佐久間さんは遠慮なく先輩たちへの言葉を続ける。

「みっともないって言ったら、それは先輩たちじゃない? なんの努力もしないでモテようとしてるしさぁ、あげく後輩に嫉妬ですか~? あたしはモデル目指してるから外見を磨いてるし、白野先輩と付き合ったこともあるのよ。あたしに言わせれば、先輩たちは醜い負け犬!」

 あの……佐久間さん、もうその辺で。先輩たちはすっかり戦意喪失してます……。
 気づけば、周りの人たちに何事かと、じろじろ見られている。

「…………」

 ぐうの音も出ないといった様子のパーマ先輩は背中を向けて立ち去ろうとした。

「あともう一つ! 内面も磨いたほうがいいよ! マジで!」

 佐久間さんは追撃の一撃を放った。これが一番きいたのかもしれない。
 ふり返ったパーマ先輩は苦々しい表情を見せ、言い返すこともなく離れていった。
 リーダーが退散したので、ショートカット先輩たちもあわててあとを追う。

 緊張から解放されて、どくんどくん、と心臓の音がうるさく鳴っていたことにはじめて気づいた。足も震えてる。

「はあ~」

 わたしは大きく息を吐き、その場にへたりこんだ。
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