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最愛の人
第四話
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「響~!お前、座ってないで運ぶの手伝え」
カウンターの向こうから、男の人が顔を出した。
「はぁ?なんで俺が?」
響さんが嫌そうな顔をする。
「なんで?そんなの決まってるだろ。働かぬ者食うべからずだからだ」
「あのなぁ。人には適材適所っていうもんがあるだろ?」
「働かないヤツの言い訳なんか聞きたくないな」
(うわ~)
俺は目の前の光景に唖然とした。
……同じ顔の二人が言い争ってるよ。
髪の色は違うが、その他は鏡に映したようにそっくりだ。
しかし……、この二人、何を言い争ってんだ?
「兄貴達、いい加減にしてよ!!」
いつまでも続きそうな言い争いを止めたのは、暁の冷たい声だった。
「……暁。だけど、コイツが……」
「……黙れ」
まだまだ続きそうな言い訳を暁の声が遮った。
(怖……)
なんか地獄の底から響いてきそうな声だ。
それにめっちゃ目が座ってるんだけど……。
「兄貴達、ジャレるのは構わないけど、時と場所を選びなよ」
(ジャレてる?あれが?)
俺にはあの光景がジャレてるなんて、そんな可愛いものには見えなかったんだけど。
「……だけど」
「……兄貴」
暁の声が聞こえた瞬間、空気が凍りついた。
そして、痛いくらいの沈黙が続く。
「……悪い」
この空気に耐えられなかったのか、二人同時に謝罪の言葉を口にした。
……確かに、こんな重い空気、俺だって耐えられない。
(暁って、本当に最強だな)
暁に逆らえるヤツなんて、世の中にいないんじゃないか?
カウンターの向こうから、男の人が顔を出した。
「はぁ?なんで俺が?」
響さんが嫌そうな顔をする。
「なんで?そんなの決まってるだろ。働かぬ者食うべからずだからだ」
「あのなぁ。人には適材適所っていうもんがあるだろ?」
「働かないヤツの言い訳なんか聞きたくないな」
(うわ~)
俺は目の前の光景に唖然とした。
……同じ顔の二人が言い争ってるよ。
髪の色は違うが、その他は鏡に映したようにそっくりだ。
しかし……、この二人、何を言い争ってんだ?
「兄貴達、いい加減にしてよ!!」
いつまでも続きそうな言い争いを止めたのは、暁の冷たい声だった。
「……暁。だけど、コイツが……」
「……黙れ」
まだまだ続きそうな言い訳を暁の声が遮った。
(怖……)
なんか地獄の底から響いてきそうな声だ。
それにめっちゃ目が座ってるんだけど……。
「兄貴達、ジャレるのは構わないけど、時と場所を選びなよ」
(ジャレてる?あれが?)
俺にはあの光景がジャレてるなんて、そんな可愛いものには見えなかったんだけど。
「……だけど」
「……兄貴」
暁の声が聞こえた瞬間、空気が凍りついた。
そして、痛いくらいの沈黙が続く。
「……悪い」
この空気に耐えられなかったのか、二人同時に謝罪の言葉を口にした。
……確かに、こんな重い空気、俺だって耐えられない。
(暁って、本当に最強だな)
暁に逆らえるヤツなんて、世の中にいないんじゃないか?
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