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白雪姫の受難
第八話
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「暁ちゃんは優しいと思いますけど?」
「そんなの君にだけだろ?」
あっさりと言われ、思い当たるふしがある僕は、口を噤んだ。
確かに暁ちゃんは人の好き嫌いが激しい。
だけど、佐倉さんのことを心底嫌っているわけじゃないと思う。
もし、そうなら暁ちゃんは自分の近くに寄せ付けないから。
「……ねぇ、塔哉君。暁の度肝を抜いてみたいと思わない?」
佐倉さんがニヤリと笑う。
「……は?」
唐突な話の転換についていけず、僕は間の抜けた返事をした。
「何事もやられ放しは良くないだろう?」
何をしようとしているのかはわからないけど、やっぱりこの人、転んでもただじゃ起きないよね……。
その後、僕が連れてこられたのは、衣装が沢山置いてある狭い部屋だった。
(こんな部屋、あったんだ)
元々はそれなりの広さがあったんだと思うけど、所狭しと並べられている衣装のせいで、かなり狭く感じる。
フリルたっぷりのドレスや細かい刺繍の入った騎士の衣装は、素人が作ったとは思えないほど完成度が高かった。
(……もしかして、今日の衣装ってこの中から選ぶのかな?)
確かにどの衣装も素晴らしい仕上がりだが、どう考えても僕には似合いそうにない。
そもそもフリルが似合う男子高校生の方がおかしいと思う。
僕は自分がドレスを着た姿を想像して、引きつった笑みを浮かべることしか出来なかった。
「そんなの君にだけだろ?」
あっさりと言われ、思い当たるふしがある僕は、口を噤んだ。
確かに暁ちゃんは人の好き嫌いが激しい。
だけど、佐倉さんのことを心底嫌っているわけじゃないと思う。
もし、そうなら暁ちゃんは自分の近くに寄せ付けないから。
「……ねぇ、塔哉君。暁の度肝を抜いてみたいと思わない?」
佐倉さんがニヤリと笑う。
「……は?」
唐突な話の転換についていけず、僕は間の抜けた返事をした。
「何事もやられ放しは良くないだろう?」
何をしようとしているのかはわからないけど、やっぱりこの人、転んでもただじゃ起きないよね……。
その後、僕が連れてこられたのは、衣装が沢山置いてある狭い部屋だった。
(こんな部屋、あったんだ)
元々はそれなりの広さがあったんだと思うけど、所狭しと並べられている衣装のせいで、かなり狭く感じる。
フリルたっぷりのドレスや細かい刺繍の入った騎士の衣装は、素人が作ったとは思えないほど完成度が高かった。
(……もしかして、今日の衣装ってこの中から選ぶのかな?)
確かにどの衣装も素晴らしい仕上がりだが、どう考えても僕には似合いそうにない。
そもそもフリルが似合う男子高校生の方がおかしいと思う。
僕は自分がドレスを着た姿を想像して、引きつった笑みを浮かべることしか出来なかった。
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