2 / 16
川嶋沙月の場合
1
しおりを挟む
川嶋沙月はアルファの両親のもとに3人目の子どもとして生まれた男の子でオメガだった。
沙月には兄と姉がいるが2人ともアルファで兄は当時10歳姉は8歳だったので歳の離れたオメガの弟をことさら可愛がった。
父や兄姉はアルファらしくオメガを庇護の対象とするかのように大事に大事に溺愛していたが母はオメガだからと言う育て方はしなかった。
母はオメガでも社会に出てアルファやベータと同じように働けるようにという思いがあるのだと家族に公言していたので父も兄姉も本人である沙月もそういうものかと納得して母に従った。
そういう愛し方もあるのだと皆んなが思っていた。
何故なら現代のオメガの生き方として間違いではないから。
勉強だって運動だって必死にやった。
母は兄や姉にしてきたような教育を沙月にしてきた。
母の口癖は「沙月はアルファやベータに引けを取らない子になるのよ。」だった。
大変だったが母が喜ぶからと沙月は頑張った。
ただオメガはどうしても体力が少なめで身体が弱い傾向にあるのでときどき熱を出して寝込むことがあった。
小学5年生くらいの時に母がオメガの健康に良いお茶というのを買ってきた。
身体の弱い沙月のために買ってきたからこれからはこれを飲み続けるように言われる。
香ばしくて美味しいお茶だった。
「これはとても高いお茶だから沙月しか飲んではダメよ。」
と言い含められて学校へ持っていく水筒にも詰められた。
「お友達が欲しいと言ってもこれは沙月のためのお茶だから絶対にあげてはダメよ。」
と言われても何の疑いも持たなかった。
沙月には兄と姉がいるが2人ともアルファで兄は当時10歳姉は8歳だったので歳の離れたオメガの弟をことさら可愛がった。
父や兄姉はアルファらしくオメガを庇護の対象とするかのように大事に大事に溺愛していたが母はオメガだからと言う育て方はしなかった。
母はオメガでも社会に出てアルファやベータと同じように働けるようにという思いがあるのだと家族に公言していたので父も兄姉も本人である沙月もそういうものかと納得して母に従った。
そういう愛し方もあるのだと皆んなが思っていた。
何故なら現代のオメガの生き方として間違いではないから。
勉強だって運動だって必死にやった。
母は兄や姉にしてきたような教育を沙月にしてきた。
母の口癖は「沙月はアルファやベータに引けを取らない子になるのよ。」だった。
大変だったが母が喜ぶからと沙月は頑張った。
ただオメガはどうしても体力が少なめで身体が弱い傾向にあるのでときどき熱を出して寝込むことがあった。
小学5年生くらいの時に母がオメガの健康に良いお茶というのを買ってきた。
身体の弱い沙月のために買ってきたからこれからはこれを飲み続けるように言われる。
香ばしくて美味しいお茶だった。
「これはとても高いお茶だから沙月しか飲んではダメよ。」
と言い含められて学校へ持っていく水筒にも詰められた。
「お友達が欲しいと言ってもこれは沙月のためのお茶だから絶対にあげてはダメよ。」
と言われても何の疑いも持たなかった。
応援ありがとうございます!
18
お気に入りに追加
51
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる