題名のない物語

瑚湖

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報酬

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長い螺旋階段を登っていく先に一つのドアが見えてきた。

(下から見るとすごい長い螺旋階段に見えたんだけど...案外そう高くはなかったみたいね。)

高そうに見えたのでまだ続きがあるのではないかと思ったがそのドアが終点のようだ。

「ここが君の新しい働き場だよ。」

ドアを開けたその先にあったのは書斎にありそうな机が1つあとは周りに本棚がいくつか。天井には天窓のような窓から光がさしている。

「ここで君に僕のサポートをしてもらいたいんだ。あっ、ちゃんと給料は出すから安心して。」

「具体的に私はなにをすればいいの?」

「お客さんにお茶を出してくれたりしてくれればいいよ。月給40ピンズでどうかな。」

「40ピンズ?!」

「少なかったかい?」

少なくはない。むしろ多いぐらいだ。一般的にこのアイベルでの平均収入と言えば16ピンズから多くても25ピンズだ。しかも客に茶を出すだけで特に肉体労働もない。どう考えても道理に合っていない。それだけ稼げるとしたらどこか大きな会社の社長ぐらいなのだ。

「もし足りなくなったら教えてくれ。すぐに追加の金を用意しよう。」

「なんで...なんで私のためにそこまでしてくれるの?私たちは今日あったばかりの赤の他人じゃない。しかもここがそれほどまでにすごい会社には見えないし、そのお金がどこから来るのかもわからない。あなたは一体何者なの...?」

ユエは笑って答える。

「何者でもないよ。ただ君に会いたかった。それだけなんだ。」


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