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第29話 禍福はコインの裏表のごとく
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ビアトリス・ブラッドリーという新進作家の誕生に湧く「楡の木」とは対照的に、「紅の梟」は経営面で岐路に立たされていた。なかなか集まらないスポンサーに社員たちは焦りの色を隠せず、共同代表のセオドアは靴の底をすり減らして、毎日資金繰りに奔走している。もう一人の代表であるエリオットは、原稿を書くこと以外は何もできず、ただ手をこまねいて見ているしかなかった。
(自分が少し我慢すればみんな丸く収まったのに。わがままを言って家を飛び出したから)
みなが困っているところを見ると、自分を責める気持ちがつい芽生えてしまう。もちろん、セオドアが「お前に頼りっぱなしで申し訳なかった」と言ったのは彼の本心だろう。しかし、エリオットにしてみれば、自分が役に立てるようなことは金銭面くらいしか思いつかなかった。今は何の役にも立てず足を引っ張るばかりである。
こうなると、疑心暗鬼とは分かっているものの、人の目も気になって来る。どうしてペンドラゴン編集長は援助を打ち切ったのか? 彼がそんなことをしなければ苦境に陥ることもなかったのに? 影でそんなことを言われているんじゃないかと、エリオットは悶々としていた。
(まずい、また悪い癖が出た。自分に自信がないから嫌なことばかり考えてしまうんだ)
せめて自分ができること。今となっては思いつくことは一つしかない。こればかりはセオドアに迷惑をかけず何としても一人でやり遂げたい。エリオットは時計をちらと見た。そろそろ時間だ。嫌な気持ちを払拭するように突然立ち上がると、コートを引っかけて鞄を手に持つ。
「ごめん、今日は寄るところあるから少し早く上がらせてもらうよ。セオドアにもそう言っておいて」
いつも要領を得ないペンドラゴン編集長が、なぜかこの時ばかりはいそいそと帰り支度をしている。社員たちは目を丸くしてエリオットを見つめた。エリオットは、彼らの反応を確認することなく、それだけ言い残して足早に職場を出て行った。
**********
それから数週間のち、「楡の木」の新刊が発売された。競合誌のチェックは怠らず、発売日に購入して中身を確認する。特にビアトリスの連載は、別の意味でも気になるところだ。エリオットは真っ先にビアトリスの連載小説をチェックした。
(うん、今月もいい感じだ。ビアトリスも作家として順調に成長している。やはり「楡の木」を勧めといて正解だったな)
彼女をこちら側に引き留められなかった負い目は残っているが、それよりビアトリスが成功したことの方が嬉しかった。自分では彼女をここまで導けただろうか。それを考えると胸がチクリと痛んだが、敢えて無視することにする。エリオットがそんなことを考えていると、他の机から社員たちの会話が聞こえてきた。
「『楡の木』は最近好調だな。この分だとうちも追い抜かれてしまうぞ」
「まだ資金面の目途が経ってないとなるとページ数を減らさないとだし、給料の支払いも滞っているし……この分だと優秀なスタッフが他所へ引き抜かれてしまう。そんな事態はぜひ避けたいものだが」
「紅の梟」の編集部の空気はここずっと重かった。セオドアは連日伝手を当たっているが、まだ目標額には達していないとのことである。エリオットが話を聞くと「お前が出しゃばると余計にややこしくなるからおとなしくしてろ」と言われてしまった。セオドアにしてはきつい言い方になったのは、彼自身焦りと疲れが隠せないからだろう。エリオットは言われた内容よりも、自分が何の役も立てないことに心を痛めた。
それから数日たってからのことだった、セオドアが顔色変えて飛び込んで来たのは。
「新しいスポンサーが見つかった。これで資金面の目途が立ちそうだ」
社員たちはわっと歓声を上げた。ここ最近葬式のようだった空気がこの一言で一掃され、みなお互いの肩を叩きながら喜びを分かち合う。もちろんエリオットも安堵のため息をついた一人だ。
「今まで迷惑をかけてすまなかった。これで一安心だから仕事を進めてくれ」
弾んだ声で社員たちに発破をかけるセオドアにエリオットが駆け寄った。
「それにしてもよくスポンサーが見つかったな? 何があったんだ?」
「ああ、それは……まあ、おいおい説明するよ」
ニコニコしていたセオドアが一瞬顔を曇らせて口ごもる。ほとぼりが冷めるまで事の真相はエリオットに伝えない方がいい。セオドアはそう判断した。
今より数時間前、ビアトリスから連絡が来て何事かと思い「楡の木」の編集部へ行くと、そこにはマーク・シンプソン編集長がいた。何と、「楡の木」が懇意にしている関連会社が文芸界活性化のために「紅の梟」に出資してくれると言うのだ。余りにうますぎる話に、セオドアは何度も裏がないか確認したが、どこまで掘っても怪しいところはない。しかもこの一件には、ビアトリスが深く関係しているらしかった。
「先月業の売り上げより延ばすことができればと言われてプレッシャーだったけど、無事にクリアできて嬉しいわ。もちろん、私の力は微々たるものだけど」
「あんな約束をしたのも、君の連載はうまく行くと踏んだ編集長の勘が働いたからだよ。ただ援助を申し出るだけではつまらないと思ったからああいう提案をしたけど、今月号の売り上げが伸びるのは既に想定内だった」
嬉しそうにはしゃぐビアトリスとマークを見て、セオドアは内心複雑な思いだった。この話はエリオットにしない方がいい。全く、こんな事態になるなら、ビアトリスとエリオットが夫婦同士であることを最初からマークに説明しておくべきだったと、セオドアは今になって後悔した。
(ただでさえ劣等感抱きやすい性格なんだから、これ以上落ち込ませるネタを持ち込みたくない。ビアトリスがうちの窮状を知って頑張ってくれたのは分かるけど、ここはうまく立ち回らないと)
「あのね、この件については、今は余り大っぴらにしない方がいいと思うの……」
ふと、改まった口調で言うビアトリスを、マークとセオドアはおやと見つめたが、彼女の言わんとしていることを察してセオドアも「そうだね。徐々に広めていけばいいや」とさりげなく返した。彼女と秘密を共有する共犯関係になった気がして何となくきまずい。セオドアはそそくさと彼らの元を去って、朗報だけ持って「紅の梟」に帰って行った。
セオドアがそこまで配慮していることも一切知らず、エリオットは純粋に喜んでいた。
(これで僕の罪悪感も少しは治まる。よかった)
この時は単純にそう考えていた。
★★★
最後までお読みいただきありがとうございます。
恋愛小説大賞エントリー中です。
セオドア苦労人だなと思ったら清き一票をお願いします!
「忘れられた王女は獣人皇帝に溺愛される」も同時連載中です。こちらはシリアス度高めです。
(自分が少し我慢すればみんな丸く収まったのに。わがままを言って家を飛び出したから)
みなが困っているところを見ると、自分を責める気持ちがつい芽生えてしまう。もちろん、セオドアが「お前に頼りっぱなしで申し訳なかった」と言ったのは彼の本心だろう。しかし、エリオットにしてみれば、自分が役に立てるようなことは金銭面くらいしか思いつかなかった。今は何の役にも立てず足を引っ張るばかりである。
こうなると、疑心暗鬼とは分かっているものの、人の目も気になって来る。どうしてペンドラゴン編集長は援助を打ち切ったのか? 彼がそんなことをしなければ苦境に陥ることもなかったのに? 影でそんなことを言われているんじゃないかと、エリオットは悶々としていた。
(まずい、また悪い癖が出た。自分に自信がないから嫌なことばかり考えてしまうんだ)
せめて自分ができること。今となっては思いつくことは一つしかない。こればかりはセオドアに迷惑をかけず何としても一人でやり遂げたい。エリオットは時計をちらと見た。そろそろ時間だ。嫌な気持ちを払拭するように突然立ち上がると、コートを引っかけて鞄を手に持つ。
「ごめん、今日は寄るところあるから少し早く上がらせてもらうよ。セオドアにもそう言っておいて」
いつも要領を得ないペンドラゴン編集長が、なぜかこの時ばかりはいそいそと帰り支度をしている。社員たちは目を丸くしてエリオットを見つめた。エリオットは、彼らの反応を確認することなく、それだけ言い残して足早に職場を出て行った。
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それから数週間のち、「楡の木」の新刊が発売された。競合誌のチェックは怠らず、発売日に購入して中身を確認する。特にビアトリスの連載は、別の意味でも気になるところだ。エリオットは真っ先にビアトリスの連載小説をチェックした。
(うん、今月もいい感じだ。ビアトリスも作家として順調に成長している。やはり「楡の木」を勧めといて正解だったな)
彼女をこちら側に引き留められなかった負い目は残っているが、それよりビアトリスが成功したことの方が嬉しかった。自分では彼女をここまで導けただろうか。それを考えると胸がチクリと痛んだが、敢えて無視することにする。エリオットがそんなことを考えていると、他の机から社員たちの会話が聞こえてきた。
「『楡の木』は最近好調だな。この分だとうちも追い抜かれてしまうぞ」
「まだ資金面の目途が経ってないとなるとページ数を減らさないとだし、給料の支払いも滞っているし……この分だと優秀なスタッフが他所へ引き抜かれてしまう。そんな事態はぜひ避けたいものだが」
「紅の梟」の編集部の空気はここずっと重かった。セオドアは連日伝手を当たっているが、まだ目標額には達していないとのことである。エリオットが話を聞くと「お前が出しゃばると余計にややこしくなるからおとなしくしてろ」と言われてしまった。セオドアにしてはきつい言い方になったのは、彼自身焦りと疲れが隠せないからだろう。エリオットは言われた内容よりも、自分が何の役も立てないことに心を痛めた。
それから数日たってからのことだった、セオドアが顔色変えて飛び込んで来たのは。
「新しいスポンサーが見つかった。これで資金面の目途が立ちそうだ」
社員たちはわっと歓声を上げた。ここ最近葬式のようだった空気がこの一言で一掃され、みなお互いの肩を叩きながら喜びを分かち合う。もちろんエリオットも安堵のため息をついた一人だ。
「今まで迷惑をかけてすまなかった。これで一安心だから仕事を進めてくれ」
弾んだ声で社員たちに発破をかけるセオドアにエリオットが駆け寄った。
「それにしてもよくスポンサーが見つかったな? 何があったんだ?」
「ああ、それは……まあ、おいおい説明するよ」
ニコニコしていたセオドアが一瞬顔を曇らせて口ごもる。ほとぼりが冷めるまで事の真相はエリオットに伝えない方がいい。セオドアはそう判断した。
今より数時間前、ビアトリスから連絡が来て何事かと思い「楡の木」の編集部へ行くと、そこにはマーク・シンプソン編集長がいた。何と、「楡の木」が懇意にしている関連会社が文芸界活性化のために「紅の梟」に出資してくれると言うのだ。余りにうますぎる話に、セオドアは何度も裏がないか確認したが、どこまで掘っても怪しいところはない。しかもこの一件には、ビアトリスが深く関係しているらしかった。
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「あんな約束をしたのも、君の連載はうまく行くと踏んだ編集長の勘が働いたからだよ。ただ援助を申し出るだけではつまらないと思ったからああいう提案をしたけど、今月号の売り上げが伸びるのは既に想定内だった」
嬉しそうにはしゃぐビアトリスとマークを見て、セオドアは内心複雑な思いだった。この話はエリオットにしない方がいい。全く、こんな事態になるなら、ビアトリスとエリオットが夫婦同士であることを最初からマークに説明しておくべきだったと、セオドアは今になって後悔した。
(ただでさえ劣等感抱きやすい性格なんだから、これ以上落ち込ませるネタを持ち込みたくない。ビアトリスがうちの窮状を知って頑張ってくれたのは分かるけど、ここはうまく立ち回らないと)
「あのね、この件については、今は余り大っぴらにしない方がいいと思うの……」
ふと、改まった口調で言うビアトリスを、マークとセオドアはおやと見つめたが、彼女の言わんとしていることを察してセオドアも「そうだね。徐々に広めていけばいいや」とさりげなく返した。彼女と秘密を共有する共犯関係になった気がして何となくきまずい。セオドアはそそくさと彼らの元を去って、朗報だけ持って「紅の梟」に帰って行った。
セオドアがそこまで配慮していることも一切知らず、エリオットは純粋に喜んでいた。
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