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第33話 避けられない対決
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「ビアトリス久しぶり。しばらく見ない間にすっかり垢抜けたね。完全に都会のお嬢さんだ」
ユージンは水色の外套を着け、それがアイスブルーの瞳とよく合っていた。帽子の隙間から明るい金髪が覗いており、道ですれ違ったら誰もが振り返るほどの美貌だろう。しかし、整った顔に浮かぶぞっとするくらい妖しい笑みの正体を知るビアトリスは、捕食者に追い詰められた獲物になった気分だった。
「よくここが分かりましたね。どうやって調べたんですか?」
「これでもちょっとした有名人なんだ。私の情報網を使えばすぐに居場所なんて割れるよ。君が今何をしているか、エリオットの同人誌がどうやって資金繰りしたかも全部」
「やはり、怪文書を送ったのはあなたなんですね」
恐怖感を悟られまいと、ビアトリスはまっすぐユージンを見据えて言った。おおよその想像はついていた。ビアトリスとエリオットの双方をよく知り、怪文書を送ることで利益を得る人物と言ったらこの人しかいない。
「やっぱり分かっちゃった? でも怪文書とは心外だなあ? 本当のことを書いただけなのに? 隠し事をしている君たちの方がそもそもおかしいだろ?」
「人を騙すには、本当と嘘を適度に混ぜておくのが効果的と聞いたことありますけど、そのお手本のような文章でした。さすが、お義兄様は頭が切れますね」
虚勢を張って皮肉たっぷりに言ったが、ユージンは一切動じることなく先ほどまで顔に貼り付けていた笑みをすっと引っ込め、急に真顔になって言った。
「ねえ、目上の相手に玄関で立ち話させるなんて育ちが知れるんじゃない? いいから中に入れてよ」
氷のように冷たい彼の顔を見たら、ビアトリスは従わざるを得なかった。誰にでも愛想がよくて、本物の王子様よりも王子らしいと言われる社交界の華の裏の顔を知っているのは、彼女くらいのものだろう。言われた通り客間に彼を通し、お茶を用意した。
「結構いい暮らししてるじゃないの。連載おめでとう。君も小説家の仲間入りだね」
まるでお茶に呼ばれたかのごとく、ゆったりとソファに座り、優雅な手つきでティーカップを持つユージンは、にこやかにビアトリスに話しかけた。
「ここに来た目的は何ですか? 話があって来たんでしょう?」
「まあまあ、そんなに結論を急がないで。最初のうちは世間話でもいいじゃないの」
「あいにくそんな気分になれないんです。お義兄様みたいに腹芸が使えませんので」
「君も一応貴族の出なんだろ? 直接的な表現を避けるのは貴族のたしなみじゃないの?」
「すいません、育ちが悪くて」
ここで微妙な間が空いた。空気は張り詰めているのにユージンは足を組む余裕がある。負けてはいけないと思うものの、緊張するなという方が無理だった。
「どうしても話して下さらないのなら、質問を変えます。どうして私とエリオットに関わり続けるのですか? もう解放してくれませんか?」
「いいや、しない。エリオットがいつまでも私を頼らないから、こちらからわざわざ足を運んでやったんだ」
「そんなのおかしいですよ! 援助を打ち切ったのはあなたじゃないですか! そもそも『紅の梟』の活動資金はエリオットのお金なんでしょう!? 出るとこ出たら負けるのはあなたの方ですよ!」
「あのエリオットが出るとこ出られると思う?」
ユージンはそう言ってにいと笑った。
「引きこもりというのは、時間を無駄にするだけじゃない、生活力を奪っていくんだ。しかも、一番若くて吸収率が高い時期を地下室で過ごすなんて愚か以外の何者でもない」
「あなたの差し金もあったんでしょう? そこまで分かっていて、どうして彼を地下室から出そうとせず、いつまでも出てこなくていいなんて言ったんですか?」
「エリオットは私のものだからだよ。自分のものを地下室に保管するだけなのに、何か問題でも?」
「人を……! 物のように扱って……! そこまで人でなしだったとは!」
ビアトリスは感情が高ぶる余り、息も絶え絶えになってしまった。そんな彼女を見ても、ユージンは眉一つ動かさない。
「君は何も分かっちゃいないね。これは、私とエリオットの間で互いに締結した不文律みたいなものだ。彼は私と出会わなければ、様々なものを手に入れられなかった。高等教育も、文学との出会いも、働く必要がなく好きなことをやれる環境も。それが分かっているから反抗してこない。本人がどこまで意識しているかは知らないけどね」
「じゃあ、あなたは彼から何を貰ったんですか? 彼を自分のものにしておくことで、あなたにどんな利益があるの?」
「エリオットは私の分身だ。社交界で脚光を浴びる光のユージン・ブラッドリーと、陰の分を引き受けてくれるエリオット・ブラッドリー。弟がいることで私が輝ける。そのためにも必要なんだ」
ビアトリスは、訳が分からなくなって頭がクラクラしてきた。脳に酸素が届かないとはこういう状態を言うのだろうか。目の前にいる、美貌の貴公子はまるで話が通じない。誰にも快い印象を残すユージンの正体が、ここまで得体の知れない人物だったとは誰が知るだろう?
「繰り返しになるけど、エリオットはあなたの所有物ではありません。私が結婚したのはエリオットです。彼を私に返してください。彼自身もそれを望んでいます」
「断る。身を退くのは君の方だ。勝手にうちに入り込んで、エリオットの女房ヅラして、蠅のようにうるさく飛び回る。元々ブラッドリー家は私とエリオットで完成された世界があった。そこへ、異分子の君が来たからおかしなことになったんだ」
「ふざけないで! さっきから聞いてれば勝手なことばかり! 知ってるのよ、陰でエリオットをバカにしていたこと。ミーガンから聞きました」
「ああ、女と言うのは本当におしゃべりだな。君の妹も、いつまでも口約束の婚約話にすがりついてみっともない。こっちは誰とも結婚する気なんかないのに」
やはり、ユージンはミーガンのことも軽蔑していたのだ。浮かれていたミーガンが憐れで滑稽に思えてくる。
「あいつは、私の負の側面を被っているんだから、バカにされても仕方ないじゃないか。軽蔑すればするほどこちらが輝く。そういう存在なんだ」
「全然あなたの言ってる意味が分からないんだけど、つまりこういうこと? エリオットを手元に置いて、彼を惨めな境遇に落とすことで、自分が辿るはずだった未来を追体験させてる。あなたはそれを見て悦に入っていると?」
喉がカラカラになりながら言葉を振り絞ったビアトリスに、ユージンは乾いた笑いを向けた。
「勘のいい女は嫌いだ。ピーチクパーチク喚いて媚びを売るのも嫌だけど。どっちにしても御免被る。さて、そろそろ結論を言おう。私がなぜここまで手の内を明かしているか分かる? 君たちを潰しに来たんだよ。私の信用に比べたら君たちはちっぽけな存在だ。同人誌のスポンサーにちょっと脅しをかければ、蜘蛛の子を散らすように逃げて行く。『紅の梟』だけじゃない『楡の木』もターゲットだ。君たちが思うより、ブラッドリー子爵の名前は大きい。世間はどちらの言い分を信用するかな?」
ビアトリスは、ヘビに飲まれたカエルのような気分だった。一方のユージンは、顔色がみるみる変わるビアトリスを面白そうに眺めていた。
人当たりがよく口のうまいユージンなら世間を欺くなんてお手の物だろう。反対に、自分とエリオットは変人の部類に入る。どんなに言葉を尽くして主張しても、味方に付いてくれる人は少ない。しかも「楡の木」まで巻き込むことは絶対にしたくなかった。誠意を尽くしてくれたマークにこれ以上迷惑をかけられない。
ビアトリスとユージンはずっと睨み合ったまま、いたずらに時が流れて行った。そこへ、玄関からバタバタと音が聞こえてくる。ビアトリスは、はっと息を飲んで視線を部屋のドアへ向けた。
「ビアトリス! 大丈夫? ユージン・ブラッドリー! あなた来てたのね!」
アンジェリカが勢いよく入って来た後ろから、今一番会いたかった人が姿を現わした。
「エリオット! 来てくれたのね!」
しばらく見なかったエリオットは、旅支度のままの姿でどこかから駆け付けたらしく息が上がっていた。ビアトリスとユージンを交互に見て、何があったかしきりに考えているようだ。
「兄様、なぜここへ……」
「ビアトリスと話をしに来たんだよ。エリオット、兄様と一緒に帰ろう。もういいだろう?」
「この人の言うことを聞いちゃ駄目! あなたのことは養分くらいにしか考えてないんだから! 着いて行ったら一生搾取されて終わりよ!」
懸命に叫ぶビアトリスとは裏腹に、エリオットの表情は落ち着いたままだった。まるで彼女の言葉が届いてないかのように見えてしまう。
「知ってたよ、そんなこと。それでもいいと思ってたんだ」
エリオットが静かにそう言うと、わずかにユージンの眉がぴくりと跳ね上がった。
★★★
最後までお読みいただきありがとうございます。
恋愛小説大賞エントリー中です。
とうとう兄弟対決か!と思ったら清き一票をお願いします!
「忘れられた王女は獣人皇帝に溺愛される」も同時連載中です。こちらはシリアス度高めです。
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「すいません、育ちが悪くて」
ここで微妙な間が空いた。空気は張り詰めているのにユージンは足を組む余裕がある。負けてはいけないと思うものの、緊張するなという方が無理だった。
「どうしても話して下さらないのなら、質問を変えます。どうして私とエリオットに関わり続けるのですか? もう解放してくれませんか?」
「いいや、しない。エリオットがいつまでも私を頼らないから、こちらからわざわざ足を運んでやったんだ」
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「あのエリオットが出るとこ出られると思う?」
ユージンはそう言ってにいと笑った。
「引きこもりというのは、時間を無駄にするだけじゃない、生活力を奪っていくんだ。しかも、一番若くて吸収率が高い時期を地下室で過ごすなんて愚か以外の何者でもない」
「あなたの差し金もあったんでしょう? そこまで分かっていて、どうして彼を地下室から出そうとせず、いつまでも出てこなくていいなんて言ったんですか?」
「エリオットは私のものだからだよ。自分のものを地下室に保管するだけなのに、何か問題でも?」
「人を……! 物のように扱って……! そこまで人でなしだったとは!」
ビアトリスは感情が高ぶる余り、息も絶え絶えになってしまった。そんな彼女を見ても、ユージンは眉一つ動かさない。
「君は何も分かっちゃいないね。これは、私とエリオットの間で互いに締結した不文律みたいなものだ。彼は私と出会わなければ、様々なものを手に入れられなかった。高等教育も、文学との出会いも、働く必要がなく好きなことをやれる環境も。それが分かっているから反抗してこない。本人がどこまで意識しているかは知らないけどね」
「じゃあ、あなたは彼から何を貰ったんですか? 彼を自分のものにしておくことで、あなたにどんな利益があるの?」
「エリオットは私の分身だ。社交界で脚光を浴びる光のユージン・ブラッドリーと、陰の分を引き受けてくれるエリオット・ブラッドリー。弟がいることで私が輝ける。そのためにも必要なんだ」
ビアトリスは、訳が分からなくなって頭がクラクラしてきた。脳に酸素が届かないとはこういう状態を言うのだろうか。目の前にいる、美貌の貴公子はまるで話が通じない。誰にも快い印象を残すユージンの正体が、ここまで得体の知れない人物だったとは誰が知るだろう?
「繰り返しになるけど、エリオットはあなたの所有物ではありません。私が結婚したのはエリオットです。彼を私に返してください。彼自身もそれを望んでいます」
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「ああ、女と言うのは本当におしゃべりだな。君の妹も、いつまでも口約束の婚約話にすがりついてみっともない。こっちは誰とも結婚する気なんかないのに」
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ビアトリスとユージンはずっと睨み合ったまま、いたずらに時が流れて行った。そこへ、玄関からバタバタと音が聞こえてくる。ビアトリスは、はっと息を飲んで視線を部屋のドアへ向けた。
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アンジェリカが勢いよく入って来た後ろから、今一番会いたかった人が姿を現わした。
「エリオット! 来てくれたのね!」
しばらく見なかったエリオットは、旅支度のままの姿でどこかから駆け付けたらしく息が上がっていた。ビアトリスとユージンを交互に見て、何があったかしきりに考えているようだ。
「兄様、なぜここへ……」
「ビアトリスと話をしに来たんだよ。エリオット、兄様と一緒に帰ろう。もういいだろう?」
「この人の言うことを聞いちゃ駄目! あなたのことは養分くらいにしか考えてないんだから! 着いて行ったら一生搾取されて終わりよ!」
懸命に叫ぶビアトリスとは裏腹に、エリオットの表情は落ち着いたままだった。まるで彼女の言葉が届いてないかのように見えてしまう。
「知ってたよ、そんなこと。それでもいいと思ってたんだ」
エリオットが静かにそう言うと、わずかにユージンの眉がぴくりと跳ね上がった。
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