妹からいつも馬鹿にされていた姉ですが、婚約希望者が現れました!? ~これでもう妹は私を馬鹿にはできません~

四季

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 私は長女で、本を読むことが好きだった。

 どちらかといえば大人しいタイプ。
 己を着飾ることにはそれほど興味のない人間だった。

 一方妹はというと、私とは真逆のタイプで。

 自分を着飾ることが大好き。いつも自分が主役でいたいというような性質であり、恋愛話も大好き、それでいて夢みる乙女。いつか運命の王子様に見初めてもらえると本気で信じているような娘だ。

 そんな彼女は。

「ミールお姉さまってほ~んと地味でダサいですわよね~」

 私のことをいつも馬鹿にしている。

「あたくし、お姉さまみたいな姉がいるって恥ずかしくて言えませんわぁ」

 放っておいてくれればいいのに、たびたび絡んでくるから厄介だ。
 タイプが異なる私のことが嫌いなのなら無視でもしておいてくれればそれでいいというのに。

 敢えて見下すような発言を繰り返す必要なんて……ある?

「そんな嫌み言って楽しい?」
「無礼でしたかしら? あらぁ、ごめんなさぁ~い。でも、事実でしょ? 仕方ないじゃありませんのぉ」
「事実だとしても言っていいことと悪いことがあると思うわ」
「あらぁ、怒ってますの? あ、図星だったから? まぁそうですわね、ダサい人にダサいなんて申し上げたら……怒らせてしまうというものですわよねぇ~。それはそれは、ごめんなさぁ~い」

 でももう腹も立たない。
 いつものことだから。
 いつからか心は麻痺して、失礼な言葉を投げつけられてもどうでもいいと感じるようになってしまった――ある意味スルーする力が身についたとも言えるか。
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