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後編
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オードブルレルに婚約破棄された日の次の日、私は海を見に行った。
するとそこで遭遇する。
とても懐かしい顔に。
「うわぁ、久しぶり! 僕だよ、覚えてる? アウリーだよ」
「ええ覚えているわ……! 久しぶり!」
彼は昔よく遊んでいたアウリーであった。
すっかり背が伸びて。
体型だけで見ればまるで別人。
「でも、どうして貴方がここに? 珍しくない? もうずっと会ったことなんてなかったわよね……?」
「最近この町に帰ってきたんだ」
細やかな会話をするだけでも心が癒やされるかのよう。
「そうだったの」
「どうしたの? なんかしんみりしてない?」
――そう、彼は私の心をよく知っている。
幼い頃から知り合いだった。
たくさんの時間を共に過ごしてきた。
だからこそ互いのことはよく分かっているのだ。
「……勘が鋭いわね」
「え、もしかして本当に何かあった?」
「ええ。くだらないことかもしれないけれど。……聞いてくれる?」
「うん、もちろん!」
「ありがとう。……助かるわ」
その後私とアウリーは結ばれた。
つまり、結婚したのである。
私たちが再会して惹かれ合う。
それはとても自然で容易いことであった。
ちなみにオードブルレルはというと、あの後良い結婚相手が見つからず、凄まじい圧で迫ってきた十歳以上年上で四六時中納豆臭がする女性と結婚しなくてはならないこととなったそうだ。
それによって彼の心は折れて。
そんな中で迎えたある満月の夜、彼は自ら死を選んだそうだ。
◆終わり◆
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