異世界恋愛短編集 ~婚約破棄されても前を向いて生きてゆくのです~

四季

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婚約者を奪えて満足ですか? その人……問題大ありな人ですけど。

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「お姉さま! ラウンさまはいただきましたわよ!」

 厚かましい妹ララは私の婚約者であるラウンを奪い取った。

「……本気なの?」
「ラウンさまはとっても偉大なお方ですわ。お姉さまには勿体ない。だからあたくしがラウンさまと婚約することにしましたの! ラウンさまに相応しいのはあたくし、そうでしょう」
「彼はちょっとクセのある方よ?」
「あ~らあら! 負け惜しみですの? 妹に婚約者を奪われて、言えることがそれだけって……みっともないですわね、惨めの極み! ま、せいぜいそうやってくだらない嘘をついておけばいいんですわ」

 ララは知らない、ラウンの本当の姿を。

 だから言えるのだろう。
 偉大なお方だなんて。
 彼の本性を知れば彼女だって不快に思うはず。

 ……彼女は何も分かっていない!

 とはいえ、ここで言い返しても無駄そうだったので、すべてを受け入れ聞き流しておくことにした。


 ◆


 ラウンと結婚したララは毎日のように暴力をふるわれ心を病んだ。そして離婚するも手遅れで。既に心を病みきってしまっていたララは、ある日の晩、自室に手自ら命を絶った。
 その後ラウンはこの件について文句を言いに行ったララの母親を十発以上殴ったことで逮捕され社会的に終了した。

 一方私はというと、ララに婚約者を奪われたことを理由にして家を出て、数年後、気の合う良き人と結ばれることに成功した。


◆終わり◆
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