ただの幼馴染みと寝室でいちゃつくのは普通ではないと思います

四季

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4話

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 ◆


 その後、私は、お詫びとしてお金を払ってもらえることになった。フルベルの親からの提案である。だか私はそれを断った。両親は貰えばいいと言っていたけれど、受け取ってしまったらそれでうやむやにされる気がして、お詫び金の受け取りは拒否した。

 だがフルベルの心が私へ戻ることはなかった。

 彼は完全にリシリアに惚れていた。リシリアのことしか考えられず、寝ている時も起きている時も、一日中リシリアのことばかり考えている。リシリア以外の女性のことは考えられない状態のようだった。

 やがて、私たちの婚約者生活は終わりを迎える。

 というのも、フルベルの親が調べたところ、フルベルとリシリアが濃い関係を築いている証拠が次から次へと出てきたのだ。

 二人が会っていたのはフルベルの寝室だけではなかったし、幼馴染みと行く場所ではないところへも出入りしていたことが確認された。それも、結構な日数、である。

 だからもう私たちは婚約者でいられなくなってしまった。

 婚約は破棄となった。

 悲しかったし残念に思いはしたけれど、同時に、心なしかすっきりしている部分もある。もうリシリアとの関係について悩まなくていい、その事実が何より嬉しくありがたかった。悶々とせずに済む、そう思うだけで幸せな気持ちが込み上げてくる。

 なんだかんだで、悲しみより爽快感の方が大きい。

 それが現実だった。
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