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「いやぁーん、アルベルト様、好きぃー」
「はっはっは」
大通りから少し脇道へ入り込んだ路地。昼間であっても薄暗い場所で、身を寄せ合い、脚と腕を絡ませる男女。胃が悪くなりそうなほどに甘い声を漏らしながら、二人きりの時間を堪能する。
せめて屋内でしろ、と言いたいけれど。
「アルベルト様ぁ、いつも優しくてぇー、紳士過ぎるぅー」
「ふっふっふ、そうだろう?」
「でもぉー我慢できない気が早いところも好きぃー」
◆
私、エリーゼは、先月婚約した。
相手はアルベルト。父親の知り合いの息子らしい。父同士が勝手に話し合い、互いの子どもを結婚させることに決めたとか何とか。それで、私はアルベルトと婚約することになった。
正直私は乗り気ではなかった。
好き同士だったわけでもなく知り合いだったわけでもない男性と婚約しても、幸せになれない気がしたから。
ただ、婚約の相手であるアルベルトは喜んでいるらしい、と、父親から聞かされて。そういうことならいいか、と、婚約の段階に進むことを決めた。
そこまでは順調に思えたのだが。
「はっはっは」
大通りから少し脇道へ入り込んだ路地。昼間であっても薄暗い場所で、身を寄せ合い、脚と腕を絡ませる男女。胃が悪くなりそうなほどに甘い声を漏らしながら、二人きりの時間を堪能する。
せめて屋内でしろ、と言いたいけれど。
「アルベルト様ぁ、いつも優しくてぇー、紳士過ぎるぅー」
「ふっふっふ、そうだろう?」
「でもぉー我慢できない気が早いところも好きぃー」
◆
私、エリーゼは、先月婚約した。
相手はアルベルト。父親の知り合いの息子らしい。父同士が勝手に話し合い、互いの子どもを結婚させることに決めたとか何とか。それで、私はアルベルトと婚約することになった。
正直私は乗り気ではなかった。
好き同士だったわけでもなく知り合いだったわけでもない男性と婚約しても、幸せになれない気がしたから。
ただ、婚約の相手であるアルベルトは喜んでいるらしい、と、父親から聞かされて。そういうことならいいか、と、婚約の段階に進むことを決めた。
そこまでは順調に思えたのだが。
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