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3話

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 それから数日、ルクレツオとその母親が行方不明になったという情報が出た。しかし二人がどこへ行ったのかは分からず。地域の人たちが懸命に捜索しても、それでもなお見つからなかった。

 ちょうどその頃、ある地下室にて、姉は二人を拘束していた。

「あなたたちのような人間はいない方が良いのよ」

 その場所は人々には知られていない場所だ。
 だから誰も見つけられない。

「離してくれ!」
「何よあんた! 不細工女が! 離しなさいよ、こんなの犯罪よ!」

 最初のうちは二人とも強い心を保っていたのだが。

「ううう……殺してくれ、もう……ごめんなさいごめんなさいごめんなさい……ううう……ずびずびずびびずび……」
「きええええええええ……ぅおおおほほほほほほぉぉぉぉ……殺せ、殺せよぉぉぉぉぉぉ……きょぅおおおぉぉぉぉぉぉぉ……」

 ルクレツオとその母親は数ヶ月も経たずまともな言葉を話せなくなってしまった。

「死なせない、もっと苦しめるわ」

 二人は死を望んでいた。
 それでも姉は死を与えなかった。

「妹の痛み、少しは分かりそうかしら? ま、少しづつ分からせてあげるから。死ぬまで続くわよ、覚悟なさい」

 その後ルクレツオらは心を破壊され肉体もずたずたにされた。
 そしてやがて死亡した。
 けれどもそれは望みが叶えられての死ではなかった。

「姉様……」
「二人は片付いたわ」
「……どんな顔をしていましたか?」
「無様、それだけよ」
「そうですか……」
「でも、これでもう、貴女を傷つける者はいないわ」
「ありがとう姉様」


 ◆


 それから三年、私は、近所のカフェで知り合った青年と結婚した。

 彼は少々少年のような雰囲気のある人。
 大人っぽくはない。
 けれどもそれゆえの純真さが垣間見える。

「どうか、リーンをよろしく」
「あ、は、はい! もちろんです! 大切にします!」
「そう……信じているわ」
「はい! お姉様! 僕、絶対に彼女を守ります!」

 谷も、山も、越えて。

 今ここから新たなる物語が始まる。


◆終わり◆
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