1 / 2
前編
しおりを挟む人生が大きく方向転換する日は突然やって来た。
「お前とはもうやっていけない、だから婚約は破棄する!」
「どうして!?」
まぁ、簡単に言えば、それは一種の災害のようなものだ。
ある日突然やって来る。
誰も想像していなくてもその瞬間は訪れる。
「は? どうしてって、もう言っただろ。お前とはもうやっていけない、って。それが理由だ。どんだけ理解力ないんだよお前」
「そういう意味じゃなくて……」
「じゃあ何なんだよ!」
「だから、どうしてそんな急に、って。驚いて、それで、聞いてしまったの」
「あ、馬鹿だからだな」
「失礼よ……それはさすがに……確かに賢くはないかもしれないけれど、それでも言っていいことと悪いことがあるわ……」
「何だ? これは言っていいことだろ、だって事実だからな」
……うーん、やっぱり彼とやっていくのは無理かも。
「分かったわ。婚約破棄、それでいいわ」
「言ったな?」
「ええ。私も今思ったの、貴方とやっていくのは無理そうだって」
すると彼は怒で顔を赤くする。
「何だと!? 生意気な! そっちが捨てられる側だろうが! 俺は何も悪くないし、こうなったのも全部お前が能力不足なせいだ! 分かってるんだろうな!? 馬鹿でもいいがさすがにそこくらいは分かっていろよ!?」
やれやれ、単純ね。
そんなことを心の中で呟いて。
「何でもいいわよ。じゃ、さようなら」
彼の前からは速やかに去った。
0
あなたにおすすめの小説
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
悪意には悪意で
12時のトキノカネ
恋愛
私の不幸はあの女の所為?今まで穏やかだった日常。それを壊す自称ヒロイン女。そしてそのいかれた女に悪役令嬢に指定されたミリ。ありがちな悪役令嬢ものです。
私を悪意を持って貶めようとするならば、私もあなたに同じ悪意を向けましょう。
ぶち切れ気味の公爵令嬢の一幕です。
失礼な人のことはさすがに許せません
四季
恋愛
「パッとしないなぁ、ははは」
それが、初めて会った時に婚約者が発した言葉。
ただ、婚約者アルタイルの失礼な発言はそれだけでは終わらず、まだまだ続いていって……。
不実なあなたに感謝を
黒木メイ
恋愛
王太子妃であるベアトリーチェと踊るのは最初のダンスのみ。落ち人のアンナとは望まれるまま何度も踊るのに。王太子であるマルコが誰に好意を寄せているかははたから見れば一目瞭然だ。けれど、マルコが心から愛しているのはベアトリーチェだけだった。そのことに気づいていながらも受け入れられないベアトリーチェ。そんな時、マルコとアンナがとうとう一線を越えたことを知る。――――不実なあなたを恨んだ回数は数知れず。けれど、今では感謝すらしている。愚かなあなたのおかげで『幸せ』を取り戻すことができたのだから。
※異世界転移をしている登場人物がいますが主人公ではないためタグを外しています。
※曖昧設定。
※一旦完結。
※性描写は匂わせ程度。
※小説家になろう様、カクヨム様にも掲載予定。
さようなら、あなたとはもうお別れです
四季
恋愛
十八の誕生日、親から告げられたアセインという青年と婚約した。
幸せになれると思っていた。
そう夢みていたのだ。
しかし、婚約から三ヶ月ほどが経った頃、異変が起こり始める。
婚約破棄、別れた二人の結末
四季
恋愛
学園一優秀と言われていたエレナ・アイベルン。
その婚約者であったアソンダソン。
婚約していた二人だが、正式に結ばれることはなく、まったく別の道を歩むこととなる……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる