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2話
しおりを挟むそして私は二人の行動に関する証拠物を集め始める。
動くには何よりも証拠が必要だからだ。
そして、必要な物がすべて集まった翌日、私は彼に対して婚約の破棄を告げた。
「ゆ、許してください……あれは、ちょっとした遊びで……」
「許すことはできません」
「ですが……本気ではないのです、本当に、本当に……」
「だとしても。婚約者がいる身で他の女性といかがわしい場所に行くというのはどうかと思います」
最初は大人しくしていたアドレーだが。
「お、お前! いい加減にしろよ! 調子乗り過ぎだろ! いい加減黙ってくれよ、小さいことで騒ぐな!」
急に叫び出す。
大声を出せば圧をかけて思い通りにできると思っている? ……だとしたら馬鹿だ。そして、呆れるほど幼稚で野蛮。それが知性ある人間の行動か? その問いの答えは間違いなくノーだろう。
「そもそも、俺の自由をお前が奪ったのが悪いんだ! 俺は彼女を愛していたのに! ずっと! なのに、お前が現れたせいですべてが壊れた、壊された……お前なんか一生愛するものか! 俺の運命の人はな!! お前みたいなダサいやつじゃない!!」
感情的になっているアドレーを眺めていたら段々笑えてきた。
何を言っているの?
援助してもらっている身でしょう?
「ならいいですね、婚約破棄で」
「なっ……」
「私みたいなダサいやつは嫌なのでしょう? ではおしまいにしましょう。円はここまでです。……さようなら」
笑顔でそう言ってやる。
「お、おい! 待ってくれよ!」
すると急に焦りを面へ滲ませるアドレー。
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