異世界恋愛短編集 ~婚約破棄されても幸せになることはできます~

四季

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ちょっぴりひとやすみ? 詩のコーナー

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『強い女になりたくて』

強い女になりたくて
いつもより少し
迫力ある服を身に着けて
走り出したい衝動は抑えて
どこまでも突き進む

勇気さえあれば
人は何にだってなれる
いつか誰かがそう言っていたけれど
それが真実なのかどうかは
今もまだ分からないまま

今すぐ
駆け出したい
嵐の中でも
何も恐れはしないから

強い女になりたくて
いつもより少し
濃いめの化粧をして
歌い出したい衝動は抑えて
ただひたすらに息をする

勇気さえあれば
人はどんな風にでもなれる
いつか誰かはそう語ったようだけれど
それが本当なのかどうかは
今もまだ掴めないまま

それでも……

今すぐ
動き出したい
大雨の中でも
怖いものなど何一つない

今すぐ
駆け出したい
嵐の中でも
何も恐れはしないから

強い女になりたい
そんな願い
叶うはずもないと分かっていても
それでもなお
諦めることはできないから

ただひらすらに
走り続ける
無我夢中なんて言葉を見つけられるほど
優秀ではないけれど

それでもなお
突き進んでゆく
欲しいのは勇気だけ
それさえあれば
人はどこまでも強くなれる
だからもう
迷うことはない
だからもう
恐れることはない



『わたしを見下して嗤った』

柔らかな肌
今も忘れられない
いつだったか
あなたはそう言って
わたしを見下して嗤った

艶やかな唇
今も忘れられない
いつだったか
あなたはそう言って
わたしを見下して嗤った

ああどうして

あなたはなぜ
そんなにも心ないの

ああどうして

あなたはなぜ
そんなにも清らかでないの

己の罪を
罪であると
今もまだ
認めはしないのね

堂々としていれば
悪は悪でなくなると
いつだったかのあなたは
自信満々に言って
正義を捻じ曲げた

そんなあなたを
わたしは決して愛せない……

嘘をついたこと
偽りの中に生きていること
どうしてあなたは
そのすべてを
悪ではないと認識し続けるのか

わたしには分からないけれど
ただ一つ
確かに言えることはあって
それはきっと
あなたは己の罪から
いつだって目を逸らしている
それだけは
ただ一つ
確かなことだと
今は強く強くそう思う

あなたはまた
わたしを見下して嗤った

また一つ
増えるのは
あなたの罪
それは
どれほど時が流れても
それでもなお
消えることのないもの
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