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2話
しおりを挟む「ううん」
「そう……意味が分からないわね……」
母は額に手を当てていた。
「ポトッフ、母さんにも何か言っていた?」
「ええ。何事もなかったかのようなさらっとした感じで。本人にも伝えましたけど、婚約は破棄することになったんで――って」
「そんなさらっと?」
「そうよ」
他人ながら恥ずかしい。
そんな常識のない人と婚約していたなんて、それだけで恥じらってしまう。
「でもまぁいいわ、あんな勝手なことを言い出す人に娘を託す気なんてさらさらないもの」
「ごめんなさい母さん、こんなことになってしまって」
「いいのよ! 貴女のせいじゃないわ! ああそうだ、頭痛だったのでしょう横になっていて」
「ああそうだった……うんそうする」
取り敢えず休むことを再開しよう。
それで頭痛が治るとは限らない。
でも通常時のように起きているよりかはましだろう。
◆
その後母が懸命に調査してくれた結果、ポトッフには実はもう一人女がいたことが発覚した。そしてその女とは深い仲に進展していたことも発覚。母が雇った調査員は裏で長く続いていたその関係性の証拠となる物を複数集めてくれた。
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