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親友と婚約者ができていました。~しかし二人はわりとすぐに滅ぶこととなったのでした~
しおりを挟む「ミッシェル様はあたしのものだから!」
親友に――いや、親友と思っていた彼女メリーに――婚約者ミッシェルを奪われた。
「ミッシェルさん、どうして……」
「悪いな。俺は彼女に惚れてしまったんだ。だから、お前との婚約は破棄とする」
「酷いです……」
「何を言われようとも心は変わらない。俺はもう決めたんだ、彼女と、メリーと共に生きてゆくと」
「そんな……酷すぎます……」
ミッシェルとの関係は悪いものではなかった。
なのに親友に乗り換えられてしまうなんて悲し過ぎる。
「ミッシェル様はあたしを選んだのよ! あたしのほうがあんたより魅力的だったってこと!」
「メリーも酷いわ」
「知らないわよ。あたしのせいじゃないわ。あたしが色仕掛けしたわけじゃないもの、捨てられたからって当たり散らさないで」
こうしてミッシェルとの婚約は破棄となってしまった……。
――だが、婚約破棄された日から数日が経ったある日の晩、ミッシェルとメリーは亡くなった。
殺されたのだ、賊に。
二人はミッシェルの家にていちゃついていたそうで。
朝帰りにしようと話していたそう。
しかしそこに運悪く賊が入り、薄着だったこともあって二人はすぐに逃げられず、そのまま殺されてしまったのだそうだ。
その話を聞いて、汚いことかもしれないが、少し希望を見た気がした。
悪いことをした者には天罰を。
それが叶って少し嬉しかった。
◆終わり◆
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