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女を作って婚約破棄したというのに私が裕福になったら寄ってくるというのはどうかと思います。
ー前編ー
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彼のことを信じていた、なのに――。
「お前との婚約は破棄とすることとした!」
婚約者であった彼ロマインスはとある晩餐会にてそんな風に宣言をしてきた。
しかも傍らに女性を置いて。
価値のないものを見るような目をこちらへ向けながら。
「うふふ、婚約者さん……ごめんなさいねぇ。でもぉ、ロマインスさまは貴女じゃなくてあたしを愛しているんです。だから……いつまでも縋りつこうとしないで、貴女は貴女で歩んでゆくべきだと思いますよぉ」
ロマインスの隣にいる女性は嫌みを吐きかけてくる。
「ね?」
それからロマインスに甘い視線を向けて。
「ああ」
ロマインスも彼女に甘ったるい視線を向けた。
「悪いな、リザリー。俺は彼女を愛している。お前はお前で別の人と幸せになれるよう頑張ってくれ」
「本気……なの、ですね」
「もちろん! 俺の彼女への想いは絶対的なもの! そこだけは、誰に何と言われようとも揺らぐことのないところだ」
「そうですか」
「俺はもうお前を愛していない! 欠片ほども! ……分かったな?」
「どうやらそのようですね、理解しました」
ロマインスは片手を女性の腰へ回す。
それからその身をそっと引き寄せた。
彼は明らかに直前まで婚約者だった者の目の前でするべきではない行いをしている、が、それが意図してだということを私は知っている。
「うふふ、分かっていただけましたかぁ? そういうこと、ですよ。貴女はもう要らないんです。彼にはあたしだけ、ですから。貴女は不要なんです、さっさと消えてくださいね。あ、追いかけてくるとかそういうややこしいことをするのはやめてくださいねぇ? 迷惑ですからぁ。貴女みたいなぱっとしない方はぁ、あたしたちが幸せになるところを黙って見守っていればいいんです」
こうして、私リザリーは、婚約者ロマインスに切り捨てられてしまったのだった……。
まさかこんなことになるなんて思わなかった。
でもそうなってしまった以上仕方がない。
もうどうしようもないのだ、私が何を言ったとしてもこの状況を覆すことはできない。
その日はとても悲しくて泣いていた。
――が、翌日、父が少し前に買っていた宝くじ二枚のうちの一枚が一等当選していたことが判明して。
「うおおおおおおお! おっとう、こんなこと初めてだああああああああ! うれすぃぃいいいぃぃぃぃぃぃ! よっしゃあああああ!」
父は大喜び。
一日中踊っていた。
「良かったわね、父さん」
「リザリー! これで美味しいものを食べよう! お前の好きなもの、何でもオッケィ! 好きなものを選ぶんだ!」
妙にハイテンションな父はそんなことを言ってくる。
「無駄遣いしては駄目よ」
「キビスィ!!」
「でも、婚約破棄されたストレスの発散にはなりそうね」
「おお! それ! それだよそれ! おっとうが言いたかったことはそれなんだ!」
「……ありがとう、その気遣いはとても嬉しいわ」
その日は美味しいものをたくさん食べた。
婚約破棄されるという不幸はあったけれど、美味しいものを食べられるという幸福を手に入れられたので、結果的にはプラスだった。
異性より食。
それはある意味本能だ。
どんな魅力的な異性であっても美味しい食べ物好きな食べ物には勝てない。
「父さん、美味しいものたくさん食べさせてくれてありがとう」
「元気になぁーっれ!」
「さすがにちょっとイタいわよ……」
それから少ししてロマインスが家にやって来た。
「お父さんが一等当選したそうじゃないか」
「まぁ、そうですね。ですがロマインスさんには関係ないことですよね。わざわざ言いに来ないでください」
……もう会いたくなかったのだが。
「お前との婚約は破棄とすることとした!」
婚約者であった彼ロマインスはとある晩餐会にてそんな風に宣言をしてきた。
しかも傍らに女性を置いて。
価値のないものを見るような目をこちらへ向けながら。
「うふふ、婚約者さん……ごめんなさいねぇ。でもぉ、ロマインスさまは貴女じゃなくてあたしを愛しているんです。だから……いつまでも縋りつこうとしないで、貴女は貴女で歩んでゆくべきだと思いますよぉ」
ロマインスの隣にいる女性は嫌みを吐きかけてくる。
「ね?」
それからロマインスに甘い視線を向けて。
「ああ」
ロマインスも彼女に甘ったるい視線を向けた。
「悪いな、リザリー。俺は彼女を愛している。お前はお前で別の人と幸せになれるよう頑張ってくれ」
「本気……なの、ですね」
「もちろん! 俺の彼女への想いは絶対的なもの! そこだけは、誰に何と言われようとも揺らぐことのないところだ」
「そうですか」
「俺はもうお前を愛していない! 欠片ほども! ……分かったな?」
「どうやらそのようですね、理解しました」
ロマインスは片手を女性の腰へ回す。
それからその身をそっと引き寄せた。
彼は明らかに直前まで婚約者だった者の目の前でするべきではない行いをしている、が、それが意図してだということを私は知っている。
「うふふ、分かっていただけましたかぁ? そういうこと、ですよ。貴女はもう要らないんです。彼にはあたしだけ、ですから。貴女は不要なんです、さっさと消えてくださいね。あ、追いかけてくるとかそういうややこしいことをするのはやめてくださいねぇ? 迷惑ですからぁ。貴女みたいなぱっとしない方はぁ、あたしたちが幸せになるところを黙って見守っていればいいんです」
こうして、私リザリーは、婚約者ロマインスに切り捨てられてしまったのだった……。
まさかこんなことになるなんて思わなかった。
でもそうなってしまった以上仕方がない。
もうどうしようもないのだ、私が何を言ったとしてもこの状況を覆すことはできない。
その日はとても悲しくて泣いていた。
――が、翌日、父が少し前に買っていた宝くじ二枚のうちの一枚が一等当選していたことが判明して。
「うおおおおおおお! おっとう、こんなこと初めてだああああああああ! うれすぃぃいいいぃぃぃぃぃぃ! よっしゃあああああ!」
父は大喜び。
一日中踊っていた。
「良かったわね、父さん」
「リザリー! これで美味しいものを食べよう! お前の好きなもの、何でもオッケィ! 好きなものを選ぶんだ!」
妙にハイテンションな父はそんなことを言ってくる。
「無駄遣いしては駄目よ」
「キビスィ!!」
「でも、婚約破棄されたストレスの発散にはなりそうね」
「おお! それ! それだよそれ! おっとうが言いたかったことはそれなんだ!」
「……ありがとう、その気遣いはとても嬉しいわ」
その日は美味しいものをたくさん食べた。
婚約破棄されるという不幸はあったけれど、美味しいものを食べられるという幸福を手に入れられたので、結果的にはプラスだった。
異性より食。
それはある意味本能だ。
どんな魅力的な異性であっても美味しい食べ物好きな食べ物には勝てない。
「父さん、美味しいものたくさん食べさせてくれてありがとう」
「元気になぁーっれ!」
「さすがにちょっとイタいわよ……」
それから少ししてロマインスが家にやって来た。
「お父さんが一等当選したそうじゃないか」
「まぁ、そうですね。ですがロマインスさんには関係ないことですよね。わざわざ言いに来ないでください」
……もう会いたくなかったのだが。
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