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前編
しおりを挟むある日のこと、婚約者である彼オーリーフィードより一通の手紙が届いた。
高貴な白い封筒に押された血のようなスタンプ。
開ければ中からは大量の虫の死骸と一枚の便箋。
『貴女との婚約は破棄とします。理由は貴女より条件の良い素晴らしい乙女に巡り会ったからです。ではさようなら。永遠に。貴女と会うことはもう二度とないでしょう、が、一応地獄に堕ちておいてくださいね』
便箋にはオーリーフィードの字でそう書かれていた。
「どういうことなの!? これは一体……」
「あり得ん、婚約者に対してこんなことをするとは……」
あまりにも信じられない奇行に両親は愕然としていた。
その後念のため確認。
で、その結果、手紙の出し主がオーリーフィードで間違いないということを確認することができた。
できることなら第三者によるいたずらか何かであってほしかったのだが……。
どうやらこの悪質な行為は本当にオーリーフィードによるものだったようだ。非常に残念な事実である。彼によるものだと信じたくない、そのくらいの悪しき行いを、実際に彼が行っていたのだから、本当にもう残念としか言い様がない。
こうして私とオーリーフィードの関係は唐突に終わりを迎えることとなったのであった。
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