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前編
しおりを挟むそれは、ありふれた何ということのない日だった。
「お前との婚約は破棄とする」
婚約者でデザイナーの青年レイヴィオから人生に関わる大きなことを告げられてしまった。
「一応理由は言おう。お前の良くないところは、ファッションセンスに特別さと抜きんでているところがないというところだ。これは何よりも大きな悪いところ。特に、俺のような人間からすれば、お前みたいな平凡を絵に描いたようなファッションセンスの女は到底受け入れられない――まぁ簡単なことだろう、それが婚約破棄の理由だ」
何やら長い理由の説明を受けた。
でも正直よく分からなかった。
それに、そういうことを私に求めるのは違う、とも思った。
彼はデザイナーだろうが私は違う。
その差を理解せず、ファッションセンスとか何とか言うとか、そういうのはどうかしていると思う。
人は誰しも得意下手を持っているもの。そして、いろんな差があるものなのだ。それが普通。なのに彼はそれを理解せず自分の求めるものばかり押し付けている。
ま、婚約破棄となったことは事実だ。
今さら何を言っても意味なんてない。
ならば私は――ニラを摘む!!
……あれ? 表現が変だろうか? もしかしたら、収穫する、の方が良いかもしれない。
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