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1話「婚約は破棄となり」
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世界を滅ぼしかねないような大きな破壊の力を持って生まれた私は、子どものうちに国の監視下に置かれた。
そして監視の意味もあってか、年頃になるや否や国王の息子である王子ルイカスと婚約させられた。
でも私は拒否しなかった。
強く抵抗することは選ばなかった。
私は私なりの幸せを見つけよう、そう思ったのだ。
叶わない夢をみても虚しいだけ。それなら最初から叶わない夢はみず手に入れられる範囲の幸せを望む方が良い、そう思って。私は、婚約者であるルイカス王子との細やかな幸せを望むようになっていった。
だが、手が届きそうな夢とて、すべてが叶うわけではなくて。
「君との婚約だが、破棄させてもらうことにした」
ある日突然ルイカスからそう告げられてしまった。
彼が言うには、彼には最近好きになったガーベラという女性がいるらしい。彼女は元娼婦なのだそうだが、それでも構わないと迷いなく言えるほど好きなのだとか。で、私のことを思い出すだけでも気分が悪くなるということだ。
「そうですが……分かりました。残念ですが……その感じだと、私は消える方が良さそうですね」
そう言うと。
「分かってくれるか!」
嬉しそうな顔をするルイカス。
こんな形で彼の嬉しそうな顔を見たくなかった。
そして監視の意味もあってか、年頃になるや否や国王の息子である王子ルイカスと婚約させられた。
でも私は拒否しなかった。
強く抵抗することは選ばなかった。
私は私なりの幸せを見つけよう、そう思ったのだ。
叶わない夢をみても虚しいだけ。それなら最初から叶わない夢はみず手に入れられる範囲の幸せを望む方が良い、そう思って。私は、婚約者であるルイカス王子との細やかな幸せを望むようになっていった。
だが、手が届きそうな夢とて、すべてが叶うわけではなくて。
「君との婚約だが、破棄させてもらうことにした」
ある日突然ルイカスからそう告げられてしまった。
彼が言うには、彼には最近好きになったガーベラという女性がいるらしい。彼女は元娼婦なのだそうだが、それでも構わないと迷いなく言えるほど好きなのだとか。で、私のことを思い出すだけでも気分が悪くなるということだ。
「そうですが……分かりました。残念ですが……その感じだと、私は消える方が良さそうですね」
そう言うと。
「分かってくれるか!」
嬉しそうな顔をするルイカス。
こんな形で彼の嬉しそうな顔を見たくなかった。
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