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しおりを挟むヴィヴィアはエミーリカとは違い、目と胸ばかりが大きく、目の下の大きな涙袋が特徴的な女性だった。女性受けはあまり良くない女性であったが、その自由奔放さと時折垣間見えるおっちょこちょいさにアンガラスドは惚れ込んでしまって。その時の彼はヴィヴィアのことしか見えなくなっていた。
それで、アンガラスドはやがて、エミーリカとの婚約を破棄したのである。
――そんな苦難も乗り越えて、エミーリカは今騎士として活躍し輝いている。
「エミーリカ様ほんと神よねぇ」
「好きすぎるわ」
「あの美貌と強さ! たまらないわ!」
「もう男なんて要らないくらい」
「仲間の殿方からも尊敬されているみたいだし、そういうところも凄いわよね~」
「ああ、あんな上司欲しい~」
「麗しいお顔を毎日拝見できるだけで心潤うでしょうね」
◆
二十六歳になって間もない頃、エミーリカは、その強さに惚れ込んだ王子より「妻とさせてほしい」と頼まれる。
まさかのことに戸惑うエミーリカ。
しかし両親や同僚からの後押しもあって王子との未来を考えるようになってゆく。
自分が王子の傍にいれば王子を護ることができる。
エミーリカはそう考え、徐々に王子へと近づいてゆくようになった。
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