踊り子を愛した婚約者から婚約破棄された令嬢は輝ける道を見つけることに成功したようです。

四季

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3話

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 そして二人は結ばれる。

 エミーリカは結婚する女性としてはやや年を食っている、が、そのことを問題視する者はそれほどいなかった。

 こうしてエミーリカは結婚という幸せまでもを掴んだのだ。

 一度は諦めたもの。

 自分には無理だ。
 そう考えていた。

 が、それでも彼女は、王子の妻となった。

 ある意味それは運命で定めだったのかもしれない。

 なんにせよ、彼女は幸せになれたのだ――それだけで十分だろう。

 一方アンガラスドはというと、ヴィヴィアに本気でプロポーズするも「わたしそういうのはしないので」と言われてしまい、大層落ち込んだ。また、ちょうどそのタイミングで実家で飼っていた犬三頭と父親が急に亡くなってしまう。

 悲しみに悲しみが重なり。

 その結果、アンガラスドの心は壊れてしまい、彼は自ら死を選んだ。

 また、その後彼の母親も、愛する息子を失ったショックで死の道へと進んだ。

 それはある意味悲劇。
 しかし同情できる要素はない。

 すべての根源にあるのはアンガラスドの身勝手さ。

 それが多くのものを壊したのだ。

 また、ヴィヴィアも、幸せにはなれなかった。
 彼女には恋人のような男性が数人いたが、ある時そのことがばれてしまい、それによって男性同士が揉めたのだ。
 男性たちはヴィヴィアの一番を求めて争い、戦い、しまいには殺し合いにまで発展してしまって――その一件によりヴィヴィアは評判を堕とし職も失った。

 その後のヴィヴィアがどうなったかを知る者はいない。

 が、いずれにせよ、何もかもを失った彼女が幸せになることはなかっただろう。


◆終わり◆
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