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前編
しおりを挟む私は王子の婚約者だった。
けれどもある日突然知らない女性が現れて。
その女性は私を陥れようとしてきた。
はじめは私は侍女を虐めているという噂を流したが、侍女らが否定したことでその話は嘘であることが証明された。
だが、女性はさらに陥れようと考えたようで、今度は王子に直接迫っていった。そして「あの女は貴方や貴方の親を陥れて権力を奪い取ろうとしている」と主張。二人きりの時に薬物を注射されて洗脳された王子は、急激に女性の言葉を信じるようになって。いつしか彼は女性が言うことだけを信じるようになった。
そして。
「君は我が家を陥れようとしているそうだな! 許せない! よって、君との婚約は破棄とする!」
王子は急にそんなことを言ってきた。
いずれこの時が来るだろうとは思っていたけれど……まさかここまで信じ込んでいるとは思っていなかったので驚いた。
「そして、君には牢に入ってもらう! 王家に害を与える人間は牢に入れるというのが決まりなのだ! だからだ! 今すぐ牢へ入れる!」
こうして私は牢屋へ入れられることとなってしまった。
で、それから気づいたのだけれど、二人きりの時に薬物を注射されたという話は多くの者は知らなかったようだ。王家の周囲の者たちはそのことに気づいていなかったようだ。そこで私はその話を明かしてみることにした。とはいえすぐに信じてもらえるはずもなく。最初のうちは周りから馬鹿にされ、さらには「罪人が、いかれたことを言うな」とまで言われたほどで。それによって処罰されそうなくらいであった。
だが、ある時、王子が急に倒れた。
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