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2話
しおりを挟むただ、婚約破棄というのは私としても都合の良いことかもしれない。
ここまでどうかしている彼とこの先ずっと一緒に生きていくというのはかなり難しいことだろう。
「分かりました。婚約破棄、受け入れます。ではさようなら」
私は彼の意思を受け入れることにした。
なぜって、その方が私のためになると判断したからだ。
◆
「リーフィーナさんは本当に可愛らしいですね」
「ええっ……て、照れてしまいます……」
「ふふ、そういうところも含めてですよ。お美しいだけでない人間らしさと可愛らしさ、そういうところにとても惹かれています」
アッデーラと別れた直後、良き縁が我が人生に飛び込んできた。
私に近づいてきてくれた彼の名はエデルバード。
彼は領地を多く所有する資産家の家の子息である。
でもかっこつけているところや威張っているところは一切ない。
彼は真っ直ぐで清らかな心の持ち主だ。
「……口説いてます?」
ただ、時に真っ直ぐ過ぎる時もあって、彼から囁かれる愛の言葉や褒め言葉には時々動揺させられる。
「ええ」
ただ、どんな時も自信を持っていて堂々としている彼を見てほっとしている、そんな私もいる。
「それ言います!? す、凄いですね……」
「ですが本気ですよ。嘘はついていません。発した言葉はすべて本当に思っていることですから」
「そういうもの……でしょうか。お世辞ではない、ということですね……?」
「そうですよ」
「では……ありがとうございます、そう言わせてください」
どうやらエデルバードは私を愛してくれているようだ。
彼と一緒にいる時は心地よい。
だって大事にしてもらえるから。
優しさで包み込んでくれるから。
私は今、彼との将来を徐々に考え始めている。
エデルバードとなら幸せになれるのではないか? ――そんな風に思って。
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