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前編
しおりを挟む「お姉様、オーロレ様はあたしがいただくわね!」
「悪いが俺は妹さんと共に生きていくことにした。なので婚約は破棄とさせてもらう。姉もお前は要らない。ではな、さらばだ」
そんな日が来るなんて思っていなかった。
でもその日は訪れてしまった。
そう、それは、婚約を破棄され捨てられる日のことだ。
私はオーロレのことを大切に思っていた。親の意向も含まれてはいる婚約だったけれど、仲が悪いことはなかったし、むしろ逆でそこそこ仲良かったのだ。だから信じていた、共に歩み幸せになれると。
けれどもそれは私が勝手に思っていただけだったみたいで。
婚約なんて驚くくらい呆気なく消滅してしまった。
しかも妹に奪われるという形で。
何ということだ。
こんな残念な形で婚約者を失うこととなるなんて夢にも思わなかった。
でも切り捨てられたことは事実。
そして、彼を妹に奪われたこともまた、間違いなく事実なのだ。
切なくて、悲しくて、どこか悔しさもあって。
そんな複雑な感情を抱きながら生きてゆくこととなった。
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