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98話「リベルテの落ち着きのなさが芸の域」
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「そんなことがあったのですか。驚きですね」
アンヌは今日もウィクトルの様子を見に来てくれている。
ビタリーの軍勢が動いたことが騒ぎになっている中でも、彼女は冷静さを欠いていない。
「これはまた、一悶着ありそうですね」
ウィクトルの背の傷は回復してきつつあるようだ。入浴も先日ようやく許可が出ていた。これまでは、体を拭くことは認められていたものの直接水を浴びることは禁じられていたようだった。それを思えば、大きな進歩かもしれない。
「まさにそれだな」
「ウィクトル殿、また都へ呼び出されるのでは?」
「あり得ないことはないな」
「こうなってくると、皇帝陛下も実力ある者を一人でも多く使いたいでしょうからね」
私はついそわそわしてしまっているが、ウィクトルもアンヌも冷静そのもの。その顔面に焦りの色は少しも浮かんでいない。激動の時代の幕開けとなるかもしれないこの時に、なぜそこまで落ち着いていられるのか。私からすれば不思議で仕方がない。
「どうか、あまり無理はなさらぬように。ウィクトル殿もまた負傷者であることをお忘れなく」
「そうだな。様子を見つつ活動しよう」
「本日の用は以上です。それでは失礼します」
アンヌはいつもと微塵も変わらぬ落ち着きで部屋を出ていった。
室内にいるのが二人になるや否や、ウィクトルが口を開く。
「ウタくん、大丈夫か?」
「え」
「そわそわしているようだが。何か気になることでも?」
何か気になることでも? ではない!
もはや「何が」と言えないくらい、気になることが山盛りだ。
私が抱いている気になることを一つ一つ尋ねていたら、きっと日が暮れる。日が沈み、夜が来て、再び朝が訪れる頃まで、話は終わらないだろう。
「いいえ、たいしたことじゃないの。ただ、これからどうなるのかって、少し落ち着かなくて」
時間の関係上、すべてを話すことはできない。そのため、漠然とした不安だけを伝えておくことにした。それならば、不必要な時間は取らないし、嘘を伝えることにもならないから。
「そうか。だが、それは地球人の君が心配することではない」
「どうして? 私だって今はここで生きているのよ、心配するに決まっているじゃない」
「……そういうものか?」
ウィクトルは眉をひそめつつ首を傾げている。
「そういうものよ! ……生きている場所のことだもの」
生まれ育ちはここでなくとも、これだけ暮らせば情も生まれる。それに、この国にはいくつもの思い出や大切な人が存在しているのだ。何もかもが失われたら、と、不安になるのは当然のこと。私のもう一つの故郷のような存在であるこの国が万が一崩壊するようなことがあっては、落ち着いてはいられない。それは、私からすれば当たり前のことだ。
昼食も終え、自由な時間を得られそうな雰囲気になっていた午後、リベルテがウィクトルのもとへと駆けてきた。その手には板状の機械。以前私も通信機器として使わせてもらったことのあるものだ。リベルテはもうそこまで青い顔はしていない。が、用自体は急ぎのようで、部屋に入ってくるや否やウィクトルのところへ直行していた。
ウィクトルは板状の機械を受け取ると、その画面に顔を向ける。
私は、取り敢えず邪魔だけはしないように、ウィクトルから距離をおいておいた。
リベルテも私と同じように通話しているウィクトルから身を離していたが、通話が非常に気になっているらしく、見ていて面白いくらい落ち着きがない。
視線はやたらとウィクトルの方へ向き、そのたびに一応見ていないふりをする。誰に対して見ていないふりをしているのかは知らないが、いちいち何事もなかったかのように演出するのが愉快だ。その奇妙な振る舞いは、もはや芸の域である。
やがて、ウィクトルが「終わった」とリベルテに告げると、リベルテはすぐにウィクトルの方へ駆け寄った。
「どうでございましたか!?」
「休暇中に悪いが都へ帰ってきてほしい、だそうだ」
通話の相手はイヴァンだろうか。
「ふぇ!? 早速!?」
リベルテは両手を鳥のようにぱたぱたさせながら驚きの声を放つ。
「相変わらず人使いの荒い皇帝だな」
「本当に! その通りでございます! そもそも、主が怪我したのは成婚パレードのせいだというのに。ろくに休ませもせず、まだ働かせるつもりなのでございますね!」
憤慨するリベルテを嗜めるように、ウィクトルは「ま、今回は休めた方だな」と述べた。
正直、私は不満だ。せっかく調子が良くなってきつつあったウィクトルが、こんな形でまた戦場に駆り出されるなんて、すんなり納得はできない。せめてもう少し配慮があっても良いのではないだろうか、と思わずにはいられない。
「それで、ウィクトルはもう行くの?」
「……いや。すぐには出ないつもりだ。何とか引き延ばしたいところだが」
「私も一緒に行ったらいい?」
そう尋ねると、ウィクトルは難しい悩みを抱えているような顔つきになる。
それからしばらく考えて。
「いや、それは駄目だ。ウタくんを危険に晒すわけにはいかない」
ウィクトルはゆっくりと口を動かした。
「じゃあ、私はここに残った方が良いのかしら」
「そうだな。それが理想だ」
ようやく再会できて、これからは共に過ごせると思っていたのに、こんなことになるなんて。こんなすぐにまた離れることになってしまうなんて、残念としか言い様がない。仕方のないことと理解していても、それでも、別れるのはやはり寂しい。
「……でも、また別の道を行くことになるわね。それは……寂しいわ」
「すまない。ウタくん」
ウィクトルは目を伏せつつ謝ってくる。
ごめんなさい、ウィクトル。勝手よね。一人では何もできないくせして、ワガママだけは一人前に言うなんて。
……心の中では申し訳なく思っている。
私は結局甘えているだけ。彼の優しさを利用しようとしているだけ。くだらない女だ、本当に。
「待っていてくれ、ウタくん。用が終わればすぐに君のもとへ戻る。ビタリーも持久戦に持ち込む気はないはずだ、任務完了までそれほど時間はかからないだろう」
ウィクトルの口から放たれる言葉は、私の心をそっと包み込むような柔らかなもの。
私は結局、それを求めているだけなのだろう。
「……ごめんなさい、ワガママ言って」
「いや、いいんだ。気にしなくていい。振り回しているのはこちらだからな」
私にも戦う力があれば良かったのに、なんて、今さら考えてしまう。そんな『もし』など、存在しないものだ。それゆえ、それを考える意味なんて欠片もない。けれども考えてしまう。もしかしたらあったかもしれなかった可能性を。
その後、ウィクトルは自身の部隊に所属する者たちへ二日後の集合を命じたそうなのだが、その命令への返事が自由気まま過ぎて驚いた。
ある人は「家族で帰省していてすぐには出られない」と。
また別のある人は「海外旅行中なので二日では戻れない」と。
中には、「人生の薔薇色時代を謳歌中のため、四日は動けません」などという意味不明な返事の者までいた。
緊急時であってもこれだ。大丈夫なのだろうか。
アンヌは今日もウィクトルの様子を見に来てくれている。
ビタリーの軍勢が動いたことが騒ぎになっている中でも、彼女は冷静さを欠いていない。
「これはまた、一悶着ありそうですね」
ウィクトルの背の傷は回復してきつつあるようだ。入浴も先日ようやく許可が出ていた。これまでは、体を拭くことは認められていたものの直接水を浴びることは禁じられていたようだった。それを思えば、大きな進歩かもしれない。
「まさにそれだな」
「ウィクトル殿、また都へ呼び出されるのでは?」
「あり得ないことはないな」
「こうなってくると、皇帝陛下も実力ある者を一人でも多く使いたいでしょうからね」
私はついそわそわしてしまっているが、ウィクトルもアンヌも冷静そのもの。その顔面に焦りの色は少しも浮かんでいない。激動の時代の幕開けとなるかもしれないこの時に、なぜそこまで落ち着いていられるのか。私からすれば不思議で仕方がない。
「どうか、あまり無理はなさらぬように。ウィクトル殿もまた負傷者であることをお忘れなく」
「そうだな。様子を見つつ活動しよう」
「本日の用は以上です。それでは失礼します」
アンヌはいつもと微塵も変わらぬ落ち着きで部屋を出ていった。
室内にいるのが二人になるや否や、ウィクトルが口を開く。
「ウタくん、大丈夫か?」
「え」
「そわそわしているようだが。何か気になることでも?」
何か気になることでも? ではない!
もはや「何が」と言えないくらい、気になることが山盛りだ。
私が抱いている気になることを一つ一つ尋ねていたら、きっと日が暮れる。日が沈み、夜が来て、再び朝が訪れる頃まで、話は終わらないだろう。
「いいえ、たいしたことじゃないの。ただ、これからどうなるのかって、少し落ち着かなくて」
時間の関係上、すべてを話すことはできない。そのため、漠然とした不安だけを伝えておくことにした。それならば、不必要な時間は取らないし、嘘を伝えることにもならないから。
「そうか。だが、それは地球人の君が心配することではない」
「どうして? 私だって今はここで生きているのよ、心配するに決まっているじゃない」
「……そういうものか?」
ウィクトルは眉をひそめつつ首を傾げている。
「そういうものよ! ……生きている場所のことだもの」
生まれ育ちはここでなくとも、これだけ暮らせば情も生まれる。それに、この国にはいくつもの思い出や大切な人が存在しているのだ。何もかもが失われたら、と、不安になるのは当然のこと。私のもう一つの故郷のような存在であるこの国が万が一崩壊するようなことがあっては、落ち着いてはいられない。それは、私からすれば当たり前のことだ。
昼食も終え、自由な時間を得られそうな雰囲気になっていた午後、リベルテがウィクトルのもとへと駆けてきた。その手には板状の機械。以前私も通信機器として使わせてもらったことのあるものだ。リベルテはもうそこまで青い顔はしていない。が、用自体は急ぎのようで、部屋に入ってくるや否やウィクトルのところへ直行していた。
ウィクトルは板状の機械を受け取ると、その画面に顔を向ける。
私は、取り敢えず邪魔だけはしないように、ウィクトルから距離をおいておいた。
リベルテも私と同じように通話しているウィクトルから身を離していたが、通話が非常に気になっているらしく、見ていて面白いくらい落ち着きがない。
視線はやたらとウィクトルの方へ向き、そのたびに一応見ていないふりをする。誰に対して見ていないふりをしているのかは知らないが、いちいち何事もなかったかのように演出するのが愉快だ。その奇妙な振る舞いは、もはや芸の域である。
やがて、ウィクトルが「終わった」とリベルテに告げると、リベルテはすぐにウィクトルの方へ駆け寄った。
「どうでございましたか!?」
「休暇中に悪いが都へ帰ってきてほしい、だそうだ」
通話の相手はイヴァンだろうか。
「ふぇ!? 早速!?」
リベルテは両手を鳥のようにぱたぱたさせながら驚きの声を放つ。
「相変わらず人使いの荒い皇帝だな」
「本当に! その通りでございます! そもそも、主が怪我したのは成婚パレードのせいだというのに。ろくに休ませもせず、まだ働かせるつもりなのでございますね!」
憤慨するリベルテを嗜めるように、ウィクトルは「ま、今回は休めた方だな」と述べた。
正直、私は不満だ。せっかく調子が良くなってきつつあったウィクトルが、こんな形でまた戦場に駆り出されるなんて、すんなり納得はできない。せめてもう少し配慮があっても良いのではないだろうか、と思わずにはいられない。
「それで、ウィクトルはもう行くの?」
「……いや。すぐには出ないつもりだ。何とか引き延ばしたいところだが」
「私も一緒に行ったらいい?」
そう尋ねると、ウィクトルは難しい悩みを抱えているような顔つきになる。
それからしばらく考えて。
「いや、それは駄目だ。ウタくんを危険に晒すわけにはいかない」
ウィクトルはゆっくりと口を動かした。
「じゃあ、私はここに残った方が良いのかしら」
「そうだな。それが理想だ」
ようやく再会できて、これからは共に過ごせると思っていたのに、こんなことになるなんて。こんなすぐにまた離れることになってしまうなんて、残念としか言い様がない。仕方のないことと理解していても、それでも、別れるのはやはり寂しい。
「……でも、また別の道を行くことになるわね。それは……寂しいわ」
「すまない。ウタくん」
ウィクトルは目を伏せつつ謝ってくる。
ごめんなさい、ウィクトル。勝手よね。一人では何もできないくせして、ワガママだけは一人前に言うなんて。
……心の中では申し訳なく思っている。
私は結局甘えているだけ。彼の優しさを利用しようとしているだけ。くだらない女だ、本当に。
「待っていてくれ、ウタくん。用が終わればすぐに君のもとへ戻る。ビタリーも持久戦に持ち込む気はないはずだ、任務完了までそれほど時間はかからないだろう」
ウィクトルの口から放たれる言葉は、私の心をそっと包み込むような柔らかなもの。
私は結局、それを求めているだけなのだろう。
「……ごめんなさい、ワガママ言って」
「いや、いいんだ。気にしなくていい。振り回しているのはこちらだからな」
私にも戦う力があれば良かったのに、なんて、今さら考えてしまう。そんな『もし』など、存在しないものだ。それゆえ、それを考える意味なんて欠片もない。けれども考えてしまう。もしかしたらあったかもしれなかった可能性を。
その後、ウィクトルは自身の部隊に所属する者たちへ二日後の集合を命じたそうなのだが、その命令への返事が自由気まま過ぎて驚いた。
ある人は「家族で帰省していてすぐには出られない」と。
また別のある人は「海外旅行中なので二日では戻れない」と。
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