「貴様との婚約、破棄とするゥゥゥゥゥゥゥッ!!」その言い方はちょっと……かっこ悪いですよ? 大丈夫ですか?

四季

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後編

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 茶会の参加者としてその場に居合わせた女性たちは、皆、私に対して気を遣ってくれていた――もちろん良い意味で――騒ぎに巻き込んでしまって申し訳ない気もしたが、彼女らからの温かく優しい言葉に癒されている部分もかなりあって。

「これから絶対いいことあるからねっ」
「そうよ! 負けないで!」
「愚痴の会、また開きますの? もしそうならどこまでも徹底的にお付き合いいたしますわ」

 その後ウィットレイルは「勝手に婚約破棄をするなどふざけるな」と王でもある父親に大層怒られたようだった。
 しかし彼はそれを素直には受け入れず。
 父親と息子の関係は一気に悪化。
 そして、そのいさかいはやがて、大きなうねりとなってゆく――二つの派閥の対立、そして、武力的な衝突にまで発展していった。

 そうして国は滅亡の方向へと動き出す。

 民の多くが国を離れた。なぜならこのままでは自分たちまで巻き込まれると判断から。王家のいさかいに巻き込まれたい国民など一人もいない、だからこそ、皆国から離れようとしたし離れていったのである。

 ウィットレイルはその戦争にて死亡した。

 彼の軍は父親派の軍にあっという間に押さえ込まれた。

 で、その後、ウィットレイル自身は拘束された。

 そしてそのまま処刑されることとなる。

 王は父親だがウィットレイルに対して容赦なかった。
 そこには冷酷さが滲み出ていた。
 それは広い世界を治める者ゆえの冷酷さである。

 そうしてウィットレイルは亡くなり、王である父親は完全勝利――しかしその時には国内に民はほとんど残っておらず、結果国はそのまま崩壊した。

 ちなみに私はというと、家族と共に隣国へ移り住んだ。そしてそこで大規模農場を営む大金持ちの男性に気に入られ、猛烈にアプローチされて、その果てに結婚した。

 今は二人とそれぞれの家族らとで一つの大きな家に住んでいる。

 夫の両親はとても良い人たち。
 それゆえ苦労はない。
 義父母は私に対していつも温かく接してくれるので、まるで新しく親ができたかのようだ。


◆終わり◆
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