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2話

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 ◆


 婚約破棄され城より追放された直後、私は、隣国の王より声をかけられた。それは聖女として国へ来ることへの申し出であった。また、隣国の王は「自分と共に生きることも考えてほしい」とも言ってきていて。彼はとにかく私を欲してくれていた。

 なので私は彼のところへ行くことにした。

 どうせ婚約は破棄となったのだ、この国に執着している必要はない。

 どこで生きても同じこと。
 どんなところで生きても、誰と共に生きても、結局同じこと――私の人生なのだから。

 必要とされるところで生きていく方が良い。

 そう思うからこそ、彼のもとへ行くことにしたのだった。


 ◆


 隣国もまた熊の害に困っていたが、私がそこへ行ったことによって、熊による人間への被害は収まった。

 私が熊を従え操ればいいのだ。

 それだけでいい。
 そんな些細なことで多くの命が救われる。
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その愛、最後まで貫いて下さい。

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