貴方に愛されたかった……ただそれだけでした、さようなら。~母は娘を殺した男を絶対に許しません~

四季

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後編

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 ◆


 娘の死後、彼女の母親は娘の元婚約者であるナイガという青年に連絡を取った。

 母親は怒っていた。
 彼が娘を死に追いやったのだと知っていたから。

 母親は「少し話があって」と言ってナイガを自宅に呼び寄せた。そして、提供する紅茶へ眠り薬を入れて彼を眠らせ、彼を自宅の地下室に監禁した。頑丈な鎖で四肢を拘束し、動けないような体勢で固定。ナイガがどうやっても抜け出せないような状態にする。

「な……これ、何だよ! 何をしやがるつもりだ!?」
「復讐よ」
「え? え? ちょ、なんで? なんで?」
「娘を奪った貴方を許さないわ」
「や、やめろ! 殺すのか!? 殺すなよ!? 犯罪だぞ!?」
「殺さないわ――そんな楽な思い、させるものですか」

 娘を失った母親は深き闇に包まれ笑みを滲ませる。

「貴方にはこれからずっとここで暮らしてもらうわ――いつか老衰で死ぬまで、ね」

 それから数十年、ナイガは地下室に監禁されたまま生きた。

 毎日拷問のようなことをされ。
 死にたいと叫ぶほどであった。

 それでも死なせてはもらえず。

 ナイガは地獄のような世界で孤独に生きることとなった。


◆終わり◆
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