琥珀令嬢は婚約破棄されても動じない。~ただ踊っていたいだけの人生なのです~

四季

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前編

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 クリーナはその美しい琥珀のような瞳ゆえに、琥珀令嬢、と呼ばれている。

 彼女は幼い頃から踊りが好きで、隙あらば身体を動かして舞うような人物だった。この時代、ある程度以上高貴な女性は踊りを積極的には行わないのだが、彼女はそんなことは一切気にせずにいつも踊っていた。周囲から何と言われようが好きなものは好きだから仕方ない、彼女はいつもそんな風に冷静だった。

 だがやがて彼女にも婚約者ができて。

「踊りなんかするなよ、恥ずかしいからな」

 婚約者アドフにそう言われたことで、クリーナは仕方なく一旦踊りから離れることにした。

 もっとも、一人の時には踊っていたのだけれど。


 ◆


 そんなある日。
 クリーナはアドフに呼び出される。

「急に悪いな」
「いえ。大丈夫です。それで、何かご用でしょうか?」
「お前……自室では踊っているそうだな」
「はい」

 クリーナは嘘はつかなかった。
 いや、彼女にはそんな器用さはなかったのだ。

 彼女は基本的にいつだって真っ直ぐである。
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