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後編
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「人に見られるところではあれから一度も踊っていません」
「だが一人では踊ったのだろう?」
「そうです。けれど、誰も見ていないのですから関係ないのでは?」
「噂になっている!!」
アドフは声を荒くする。
「俺との約束を破ったな。婚約は破棄だ!」
彼は感情的になっていた。
「踊りなんかを趣味にしている精神的に高貴でない女を妻にする気はない! 去れ!」
◆
クリーナは婚約者を失ったが、それを良い機会と捉えて舞踊家としての道を正式に歩むことを決めた。
彼女に迷いはない。
彼女はもう何の躊躇いも抱かない。
今の彼女は己が望む道だけを真っ直ぐに見つめることができている。
◆
その後のクリーナとアドフは真逆の人生を歩むこととなった。
クリーナはその舞いで多くの者を魅了した。そして、舞踊家として徐々に活躍の場を広げてゆき、また、「どんな家に生まれた女性でも踊りを趣味としても良い」という新しい価値観を作り出していった。それにより踊りを好む女性は増え、元々舞踊家だった者たちへの差別意識のようなものも薄れていって。
彼女の存在は、世をより良い方向へと導いてゆくこととなったのだ。
一方アドフはというと、ある時職場で上司に叱られたのをきっかけに働けなくなり、それからは自室にこもって酒ばかり煽るようになっていった。
で、ある時酷く酔っ払っていたこともあり同居している母親に手を出してしまい、暴力によって逮捕されてしまった。
◆終わり◆
「だが一人では踊ったのだろう?」
「そうです。けれど、誰も見ていないのですから関係ないのでは?」
「噂になっている!!」
アドフは声を荒くする。
「俺との約束を破ったな。婚約は破棄だ!」
彼は感情的になっていた。
「踊りなんかを趣味にしている精神的に高貴でない女を妻にする気はない! 去れ!」
◆
クリーナは婚約者を失ったが、それを良い機会と捉えて舞踊家としての道を正式に歩むことを決めた。
彼女に迷いはない。
彼女はもう何の躊躇いも抱かない。
今の彼女は己が望む道だけを真っ直ぐに見つめることができている。
◆
その後のクリーナとアドフは真逆の人生を歩むこととなった。
クリーナはその舞いで多くの者を魅了した。そして、舞踊家として徐々に活躍の場を広げてゆき、また、「どんな家に生まれた女性でも踊りを趣味としても良い」という新しい価値観を作り出していった。それにより踊りを好む女性は増え、元々舞踊家だった者たちへの差別意識のようなものも薄れていって。
彼女の存在は、世をより良い方向へと導いてゆくこととなったのだ。
一方アドフはというと、ある時職場で上司に叱られたのをきっかけに働けなくなり、それからは自室にこもって酒ばかり煽るようになっていった。
で、ある時酷く酔っ払っていたこともあり同居している母親に手を出してしまい、暴力によって逮捕されてしまった。
◆終わり◆
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