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後編
しおりを挟む何も思わず寝ていた……。
ちっとも気づいていなかった……。
その後私はその金塊を売り、それによって多くの富を得た。
それこそ、一生遊んで暮らせるほどの金が生まれた。
「こんな奇跡があるものなのねぇ」
ある昼下がり、母が呟く。
裕福になったけれど、生活の内容自体は特には変えなかった。
だって今以上を望んではいなかったから。
今のままでいい、このままでいい――穏やかに生きてゆけるならそれでいい。
「ええ……私も驚いているわ……」
「でも、これでこれからもゆっくりできそうね」
「うん! 家族三人で暮らせたら嬉しい!」
「そうね」
私たちはこれからも家族で仲良く暮らしていきたい。
平穏こそ偉大、そう思うから。
――ちなみにモルトスと金髪女性はというと、あの後喧嘩別れしたそうだ。
きっかけはモルトスの浮気だったらしい。
それによって女性が激怒して。
以降、二人の関係はどんどん悪化し、ぎくしゃくするようになっていったようだ。
で、その後。
モルトスは何人もの女性のもとを渡り歩いていたようだが、ある時男女関係で揉め、豪快な見た目の男に十五回連続で殴られて亡くなってしまったそうだ。
また、あの金髪女性も、後に借金だらけの男と恋仲となってしまったことが原因となり事件に巻き込まれて死亡してしまったそうだ。
ま、何やら色々あったようだ。
そんな話を聞くと、なおさら、平穏の偉大さを感じられるようになっていった。
こうしてぼんやりしていられる時間もまた尊く愛おしいものなのである。
◆終わり◆
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