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前編
しおりを挟む良家の生まれの令嬢スズレアは王子パルの婚約者だった。
しかしパルにはリーナという名の愛人がいて。
パルはスズレアを愛してはいなかった。
「スズレア! 本日をもって、貴様との婚約は破棄とする!」
その日、スズレアはパルから婚約破棄を宣言される。
「君はリーナを虐めていたそうだな! まったく、君がそんな悪女だったとは思わなかった。王子たる僕がそんな女を妻とすることはできない」
唐突にまったく知らない話を言われたスズレアは戸惑いの表情を浮かべることしかできない。
「お待ちください、私は虐めてなどいません」
「嘘をつくな!」
「いえ、嘘などついていませんし、嘘などつきません」
「ならばリーナが嘘をついたと言うのか!? 許せん! よくもそのようなことを! もういい、お前は消えろ! リーナを虐めたうえまだ貶めようとするお前の顔など二度と見たくない!!」
感情的になったパルは王子の力を使いスズレアを城から追放した。
スズレアは胸の内で密かに怒りの炎を燃やしていた。
あの愚かな王子をどうしようか。
彼女の中には黒いものが渦巻いていた。
そんなスズレアの前に現れた、魔王の手下。
「貴女、あの愚かな王子に復讐したいと思っているようですね?」
「……ま、少しは」
「なら我々の王と共にあの国を潰しませんか?」
「あの……すみませんが、意味が」
「我々の王は探しているのですよ、共に生きてくれる人物、女性を」
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