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後編
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結論から言おう。
オドレッドがリオーネを手放したことで国は滅んだ。
聖女を失った国に明るい未来はなかったのだ。
リオーネが城から出ていった数日後に起きた大災害。そしてその被害で弱っているところを隣国から攻め込まれてしまう。多くの人が普通の生活すらできないような状況のところに侵攻されれば抵抗などできるはずもなく、国はすぐに敗北し、あっという間に占領された。
国民は隣国の民となった。
それ以外に危害を加えられることはなかったのは幸運だったが。
ただ、王族らは皆捕まり、そのほとんどが名ばかりの裁判にかけられて処刑された。
もちろんオドレッドも例外ではない。
オドレッドはまず愛するヴィヴィを目の前で殺められた。それによって彼の精神は崩壊。ヴィヴィが死んでしまった絶望と愛する人を護れなかった後悔が入り混じり、彼の情緒は完全に破壊された。
その後オドレッドも処刑。
ただ、彼は、処刑される間際「これでヴィヴィに会える」と呟いていた。
処刑されるのが不幸なのか。
生きながらえるほうが不幸なのか。
その答えはもうどこにもない。
ただ、愛する人と結ばれて永く幸せに暮らせなかったという意味では、彼の結末は不幸に分類されるものであっただろう。
ちなみにリオーネはというと、国が滅びそうになった時期に家族で北の国へと引っ越し、そこで国の重鎮の息子に見初められて結婚した。
リオーネはオドレッドから捨てられてしまった。
はっきりと要らないとまで言われて。
常に凛として振る舞ってはいたが、リオーネとて人なので傷つかなかったわけではないだろう。
けれども、苦難の果て、その果てに、幸せを掴むことができたのだ。
そんなリオーネは結婚後いつも笑っていた。
◆終わり◆
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